杜の都・仙台で激しい競争に晒される「旧型イオン大型店」は生き残れるか?

駅前で台頭する「ライバル」

 杜の都の中心商店街の顔が「イオン化」してから約4か月後。仙台七夕まつりに向けて街が動き始めつつあった7月1日の朝、JR仙台駅前には長蛇の列ができていた。  行列の先にあるのは、この日開業を迎えたファッションビル「仙台パルコ2」。この仙台パルコ2は、2008年に開業した「仙台パルコ」の新館で、JR仙台駅からペデストリアンデッキで直結した場所にある好立地に出店。従来のパルコよりも「大人世代」をターゲットとしており、飲食店街やシネマコンプレックスも入居している。

JR仙台駅前に7月1日に開店した「仙台パルコ2」

 JR仙台駅前では、今年3月に駅ビル「エスパル仙台」(1978年開業)の新館となる「エスパル仙台東館」も開業したばかり。エスパル仙台東館は東北初出店となる「東急ハンズ」を核店舗とし、そのほかにも多くのアパレルショップや飲食店が出店。駅ビルということもあり、仙台市周辺のみならず東北各地から多くの客が詰めかけている。  仙台駅周辺では近い将来「ヨドバシカメラ」が新たなビルを建設、現在の店舗を増床移転させる計画もあり、駅前エリアでの相次ぐ都市型商業施設の開業は、激化する仙台市の商戦を象徴する出来事であった。

近年勢いづいている仙台駅前の商業集積。「ロフト」や「さくら野百貨店」なども立地する。ここから中心商店街までは歩いて10数分

次のページ 
老朽化した「イオン系ファッションビル」
1
2
3
4
5