杜の都・仙台で激しい競争に晒される「旧型イオン大型店」は生き残れるか?

旧ダイエー仙台店を引き継いだ「イオン仙台店」。中心商店街に立地

 イオン仙台店は、仙台市内で最も規模の大きな商店街である「クリスロード」に立地。  売場面積は20,212㎡、開業当時は東北地方のスーパーマーケットで最も規模が大きく、1980年代から1990年代前半にかけては全国の総合スーパーの中でもトップクラスの売り上げを誇った優良店で、仙台市中心部における「顔」の1つでもあった。  ダイエーが経営再建に伴い店舗の大量閉鎖を行った2005年以降、ダイエー仙台店は東北地方唯一のダイエー店舗として営業していたが、2016年3月に全国のダイエー旗艦店級店舗がイオンに経営譲渡されることに伴い、ダイエーとしての41年の歴史に幕を下ろした。

従来顧客の流出を防ぎ新規顧客を獲得できるか?

 今年の3月12日より「イオン仙台店」として生まれ変わった同店では、食品売場を中心に地元野菜の売場の新設や鮮魚コーナーの充実などといった店舗改装が行われており、同時期にイオンに転換した他のダイエー店舗と同様に、今後も少しずつ「イオン流」の売場への転換が進むものと考えられる。  かつてのダイエー仙台店は、阪神淡路大震災での教訓を生かすかたちで、東日本大震災の際に最も早く営業を再開した大型スーパーとして知られており、市民にとっても頼りにされてきた店舗であった。永年親しまれてきたダイエー仙台店が「イオン化」されることによって、従来の顧客が離れることなく、また、新たな顧客を獲得していくことができるかどうかは、過酷な競争に晒されている中心商店街の運命をも握っているといっても過言ではない。
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駅前で台頭する「ライバル」
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