自撮りしたビデオを見て、はじめて、自分が見つめ過ぎていたことがわかる
「それでは、お手元のカメラ付スマートフォンや携帯電話を、お配りした三脚にセットして自撮りをしながら、お二人一組で自己紹介をし合いましょう。お一人1分です。さあ、スタートしてください」ということで、演習が始まる。
「話す内容を準備させてほしい」と戸惑っている人には、「「考えるより、慣れることが大事ですから、まずはやってみて、やりながら考えましょう」とにっこり笑って、早速はじめていただく。現実のビジネスの場面では、その場その場のアクションが全てなのだから。
ビデオ撮影をしながらの自己紹介をし終わると、早速、自撮りした内容を自分で見ていただく。「今回は、聞き手を見つめ続けている、アイコンタクトの秒数が何秒だったかということだけを確認して、ビデオを見てください」という案内を付け加える。ビデオを見ている間、あちこちで、どよめきが起きる。そして、1分経過後に、自己紹介で自分は何秒アイコンタクトをしていたかを答えていただく。その結果、5秒から15秒で、自分が思っていたよりも長い秒数していたという結果が出る。
そして、もう一度、自己紹介のビデオを見ていただく。「今度は、聞き手になったつもりで、アイコンタクトの秒数に応じて、どのような印象を持ったかをメモしながら、聞いてみましょう」という案内をする。すると、アイコンタクトの秒数が長い人だと「圧迫感がある」、「一生懸命話しているのは伝わるが、一生懸命過ぎて、聞き手も息苦しくなる」、「相手にのしかかるようで、聞き手が逃げたくなる気持ちがわかった」という感想が返ってくる。参加者の層によっては、「全然、相手を見つめていない」といった、逆の感想が返ってくることもある。