タイの国内移動、長距離バスに代わりLCCが台頭

長距離移動のツールが激変

 それまでの国内移動の主流は長距離バスだった。バンコクでは北部・東北部行き、南部行き、東部行きの大きなバスターミナルがある。地方都市でも県庁所在地は1か所ないし2か所のバスターミナル、中堅の街でも1つはバスの発着場があるほど路線網が発達している。  今年で119年になるタイ国鉄もあるが、線路の敷設が少ない上、現在でも93%が単線だとされ、ちょっとしたきっかけで大幅に遅れる。路線によっては4~5時間の遅れは通常運行とまで言われるほどだ。そのため、タイ人の大半は鉄道に乗ったことすらなく、長距離バスが主流だった。

タイのLCCの代表は「タイ・エアアジア」。便数も路線網もかなり充実している

 そこに現れたのがLCCだ。タイに最初に登場したのはマレーシアから来た「エアアジア」である。2003年に今の政情不安の一因になっているタークシン元首相の関連会社と合弁で設立された「タイ・エアアジア」がタイの航空業界だけでなく、国内旅行のすべてを一変させたのだ。  その後、国内線ではタイ国際航空が39%出資する「ノックエア」が2004年、2013年にはインドネシアから「ライオンエア」が登場している。
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国内旅行の低コスト化
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