普通の人は仕事の合間はコーヒー休憩、となるだろう。しかし、旧ソ連では「仕事の合間にトレーニング」というトレーニング法があったという。
その名も「GTG法」。ロシアの伝統的トレーニング器具「ケトルベル」の日本人初のインストラクター、松下タイケイ氏はこう語る。
「『Grease the Groove』とは直訳で『溝を埋める』という意味になりますが、1日通してトレーニングすることを言います。提唱者はケトルベルをアメリカへ広めたパベル・ツァツーリンで、かつてソ連の特殊部隊の教官だった人物です。彼が『The Naked Warrior』という名著で紹介しています」
特殊部隊の元教官と聞くと、なにやらハードな鍛錬法のようだが、松下氏曰く「簡単に説明すると日常生活に無理なくトレーニングメニューを組むことです」なんだとか。
「代表的なトレーニング種目は懸垂ですが、次の例がその全容を表しています。
自宅の地下室へ行く途中に懸垂台があり、その前を通過する都度1セット最大5回懸垂を必ず行います。1セットは5回と少ないですが、1日を通して何度も懸垂台の前を通過するので、1日あたりの合計は25回~100回になります。これを継続したところ、それまでを上回る連続回数記録を更新したそうです。
仕事のちょっとした合間に1セット、休憩時に1セット。実はこの考えは旧ソ連で一般的なトレーニング方法だったと言われています。西欧でこれが知れた時「我々が仕事の合間にコーヒー飲んている時に敵は休憩にトレーニングやっている」と言われたそうです」