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前回、菅政権による緊急事態宣言の中で外食営業時間制限(外食時短)の効果が抜群に発揮され、季節性第三波エピデミックSurge(波・うねり)が急速に収束へと向かい、その傾向が維持されれば、3月末までには季節性第三波エピデミックSurgeは終息し*、9月下旬程度の状態まで大きく改善することを述べました。一方で、日毎死者数の減少が大きく遅延している理由が不明であることにより、医療への過負荷が継続することと、英国変異株の国内市中での蔓延により2月下旬から3月にかけて非季節性エピデミックSurgeが発生する可能性を合衆国ワシントン大学**のIHME(保健指標評価研究所)による予測と評価を引用して示したところで締めくくりました。
〈*季節性第三波エピデミックSurgeは「終息」するが、市中感染者が残りBaselineとして次のエピデミックの種火となる。従ってエピデミックとしては収束に過ぎない〉
〈**ワシントン大学は、西海岸ワシントン州のシアトルにある〉
さてそれから2週間経過した現在、どうなっているか見て行きましょう。今回もOur World In Dataを使います。グラフのキャプションから原典に直接リンクしています。
先ずは、全世界と本邦の現状を見ましょう。
日本、北米、欧州、南米、全世界、アジア*、アフリカ、大洋州における百万人あたり日毎新規感染者数の推移(ppm線形 7日移動平均)2020/09/01-2021/02/20/*アジアとは一般にウラル山脈、ボスポラス海峡、紅海以東を指すが、OWIDではシベリアはロシア(欧州)、トルコ全域はアジアである(出典/OWID)
一見して分かりますが、北米、欧州、全世界、本邦では、冬のエピデミックが終息に向かっています。冬のエピデミックは、季節性のSurge(波、うねり)とサンクスギビング、クリスマス、年末年始などによる社会性のSpike(棘)との合成波です。
人間の社会的行動制限で回避出来る社会性のSpikeは、合衆国のサンクスギビング大型連休、キリスト教圏や本邦のクリスマスや、本邦の年末年始などを原因として残念ながら猛威を振るいましたが既に終えており、季節性のSurge(秋の波)そのものは順調に終息へと向かっています。
いつもの様に本邦と韓国、台湾、アジア全体を観察し、比較して行きます。
日本、韓国、台湾、アジア全体における百万人あたりの日毎新規感染者数の推移(ppm線形 7日移動平均)2020/09/01-2021/02/20(出典:OWID)
日本と韓国、台湾における100万人あたり日毎新規感染者数の推移(ppm, Raw Data, 線形)2020/09/01-2021/02/20(出典:OWID)