ここにも
草津温泉には、町民専用の共同浴場が19か所あります。今は新型コロナウイルスの影響で中止されているものの、一部の浴場は観光客にも開放されています。毎日異なる趣の共同浴場を楽しめるなんて、これぞ温泉地で暮らす人たちの特権と言えますが、これらの共同浴場は「準公共施設」だと思います。そして、その
ほとんどの共同浴場に「新井議員をリコールに!」のポスターは貼られていました。
ここにも
草津温泉に来たならば、いろんな所に点在する共同浴場を見つけて歩くのも楽しみ方の一つだと思いますが、
散策する観光客にいちいち「新井議員をリコールに!」を見せつけてしまう草津町。草津町にとって「温泉」というのは、神様にも匹敵するくらい大切なものだと思うのですが、その何より大切で、何より自慢できる「温泉」にポスターを貼る感覚は、常人にはまったく理解ができません。ただただ異様というか、ここまで来るとホラーに近いです。
こんなとこにも!
なんてったって、草津温泉の代名詞とも言うべき
「湯畑」のすぐ横の「白旗の湯」にまでポスターが貼ってある始末です。その隣には「湯もみ」を見せてくれる施設があるのに、ガッツリと「新井議員をリコールに!」のポスターが貼られているのです。こうなってくると、
観光に来た皆さんの記念写真の片隅にも「新井議員をリコールに!」が写っていることでしょう。
草津温泉中、どこに行ってもこれ
だいたい「
草津町の誇りと信頼を取り戻す」と言っていますけど、
現在進行形で誇りと信頼を捨てているのが、このポスターであることに、一体、どれだけの町民が気づいているのでしょうか。女性が性被害を訴えているというのに、「
大丈夫?」と声をかけるわけでもなく、「
きちんと調査をしましょう」と言うわけでもなく、町長が事実無根と言っているんだから事実無根なんだということで、裁判の判決が出る前に、町中にポスターを貼り、街宣車を走らせ、町民たちを住民投票に巻き込み、みんなでリコールしようと呼びかける中高年男性集団。そもそも
「性被害の告発」というのは非常にデリケートな話であり、最大限にプライバシーが配慮されなければならないはずなのに、セカンドレイプ上等で、神聖なる温泉の壁にまで堂々と実名入りのポスターを貼る始末。草津温泉は、いつから「
ミソジニーの湯」になってしまったのでしょうか。
しかも、この住民投票の一番の問題は、どこかの一般町民がリコールをしようと言い出したのではなく、なんと、
草津町議会の議長が中心となってやっている点です。だから、公共施設にまでリコールに賛成を呼び掛けるポスターが貼られているのです。ここには「
住民投票の公平性」という概念は一切ありません。これはもう
民主主義でもありゃしないのです。