画像は筆者のYou Tubeチャンネルより
2020年9月16日に発足した菅内閣で官房長官に任命された
加藤勝信氏。安倍内閣時代、厚生労働大臣として高度プロフェッショナル制度や新型コロナウイルス 対応を巡る国会質疑で計算高く悪質な不誠実答弁を繰り返し、「
ご飯論法」(質問に誠実に答えず、意図的に論点をずらして答え、あたかも誠実に答えたかのように装って不都合な事実を隠しておく狡猾な話法)の使い手として悪名高い人物だ。
質問に答えているようで実は答えず、聞き手に意図的に誤解を与えて自らの責任を回避することに長けた加藤氏が政府広報官(スポークスパーソン)である官房長官になってしまったことで、日本政府が発するメッセージを国民はより注意を持って受け止めなければならない。これからも繰り返されるであろう加藤氏の不誠実な受け答えに備えて、本記事では加藤氏のこれまでの不誠実答弁を
信号無視話法と
こそあど論法の2つの実例を通して振り返りたい。
1例目は、今年4月に日本中に衝撃を与えた「
発熱4日以上は検査要件ではない」発言(参照:
「発熱4日以上は検査要件ではない」間違えたのは国民や現場のせい、とでも言いたげな加藤厚労相発言を信号無視話法分析)。
厚労省は2020年2月17日に新型コロナウイルス感染症の相談・受診の目安として「
37.5度以上の発熱が4日以上続く」というルールを発表していた。これによって、4日間の自宅待機中に容態が悪化して亡くなるケースが相次いだ。短期間で容態が急変するケースが明らかになった以上、発熱後4日間は自宅待機させるルールは改めるべきではないか。
2020年4月29日の参議院予算委員会では、
立憲民主党・蓮舫議員が
加藤勝信厚労相(当時)にこの問題の改善を要望。その結果、加藤厚労相から「発熱4日以上は検査要件ではない」という衝撃的な発言が飛び出し、物議を醸した。この質疑を信号機で直感的に視覚化していく。具体的には、信号機のように3色(
青はOK、
黄は注意、
赤はダメ)で直感的に視覚化する。(※なお、色表示は配信先では表示されないため、発言段落の後に( )で表記している。色で確認する場合は本体サイトでご確認ください)
質問に対する加藤氏の回答を集計した結果、下記の円グラフのようになった。
<色別集計・結果>
●
加藤厚労相:
赤信号 93%
灰色 7%
*小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはならない
赤信号が実に93%と驚異的な割合を占めている。つまり、
質問には一言も答えていない。いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。
実際の映像は筆者のYoutubeチャンネル「
赤黄青で国会ウォッチ」で視聴できる。