コロナで始まった欧州での職人生活。リノベーションや文化財の修繕で感じたこと
まさに「アート」な文化財の修繕
一方、文化財の修繕だが、こちらはテナントが入っていたり、住民が普通に暮らし続けていることも多い。自治体などの補助金が注ぎ込まれるため、美大などを卒業し、修復士を生業にする人は少なくない。こちらも住宅の種類としてはカミェニツァが多く、そのほかには教会なども修繕対象としてはポピュラーだ。
文化財の修繕で重要なのは、やはり窓や扉、天井などの飾りつけ。運び出せるものは修繕士の工房に移され、数百年前と同じ状態になるよう、ミリ単位の繊細な修繕作業が行われる。
壁や窓などに造られたレリーフなど、運び出すのが難しいものは、現場に足場を組んで修繕。欠けた部分にコンクリートなどの資材を塗りつけては、コテや鑿などで形を整えていく。さらにヤスリなどで元あった部分と断面が生じないようならし、ハケで欠けたコンクリ片や埃をはらう。絵画などの修繕と同じように、細心の注意をはらいながら作業を進めていくのだ。
文化や職人がないがしろにされる日本
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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