検査法の原理を知ればあり得ない「検査をすると患者が増える」エセ医療・エセ科学デマゴギー(前編)

大学生向けの説明

 本連載は、普通科高校、実業高校、理文の別なく高校卒業程度の読者を想定して執筆しています。そのため統計的仮説検定(Statistical Hypothesis Testing)を使って説明していません。  幸いなことに仮説の検定を用いて前々回に扱った島根県の事例と岩手県の事例を説明した方がいますので、ここではその記事の紹介をして大学生向けの説明に変えます。たいへんにわかりやすい説明ですので、読みながら関数電卓で検算すると良いでしょう。 ◆PCR検査の特異度の推定について – 豚バラ大根ノート最新の岩手県のデータで「99%仮説」を検定してみる. – 豚バラ大根ノート  これらの解説から、統計的仮説検定によっても尾身茂博士らが行っている「仮の」説明は、否定されています。

そもそもPCR法でベイズ推定を用いて良いのか?・・・・駄目です。

 PCR法の原理を知る人間にとって、確定的事象であるPCR法に、確率的事象を推定するベイズ推定を用いることには強い違和感を抱きます。  PCR法は、確定的検査法(分析法)ですので、求める遺伝子が「ある」か「ない」かの二元論しか存在せず、結果は「一意に定まる」ために推定する余地はありません。  従って、原理的にはPCR法にベイズ推定などの確率的評価を用いることは根本的な誤りと言えます。そのためPCR法の黎明期からその測定法を使ってきている専門ど真ん中の科学者からは「この人達は何おかしな事をやっているのだろう?」という厳しい見方をされることになります。  このことについては、国立遺伝学研究所教授である川上浩一博士(理学)によっても指摘されています。  PCR法の発展と共に歩んできた、専門家の中の専門家、生き字引と言える人物から見ても、尾身茂博士らの主張するベイズ推定による説明には科学的に全く意味がないことが分かります。  繰り返しになりますが、そもそも論として確定的事象=数学的には一意に定まる事象に、ベイズ推定を持ち込み、変数をいじくり回すことは、科学的に全く無意味で誤った数字遊びでしかありません。  だから全地球人類で本邦以外では、このベイズ推定を用いた話は、全く議論にならないのです。本邦では、「検査をすると患者が増える」「検査をすると医療崩壊」「検査をすると人権侵害」といったジャパンオリジナル・エセ医療・エセ科学デマゴギーを核とした教条主義を支えるものとして科学的に完全に無意味なインチキベイズ推定が7ヶ月たっても国策教条主義者である尾身茂博士達によって振り翳されてきたのです。  それによって本邦市民は国策医療ネグレクトで苦しみ、野垂れ死に、医療関係者は院内感染の脅威にさらされているのです。偶然に本邦を守った謎々効果が無ければ、本邦は四月には破滅していたわけで、単なる偶然のおかげで今があるのですが、1918パンデミック(スペインかぜ)の経験からWHOやCDCによって秋からの第二次パンデミック=第一次を遙かに上回るパンデミックが予想されているためこの偶然はそう長くは続かないと筆者は考えています。  そもそも確定的事象であり、結果は一意に定まるPCR検査に、ベイズ推定を用いることは誤っているのです。
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どんなときなら「確率的手法」を使っても良いのか?
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