東欧の日系企業経営者が「コロナショック」で目にした光景。現地従業員に取り囲まれ、家族も心労のピークに

リモートワークが難しい製造業

創美ポーランドの社内 ——すでにスペインなどでは、経済活動全般が停止していますが、ポーランドでもそうなった場合はどうでしょう。 浅野:「ドイツが完全なロックダウンをするとなったら、他のヨーロッパの国々も2〜3日後に倣うはずです。ロックダウンになる前には、みんなができることがあったら全てやってほしいと伝えるつもりです。それ以外では、家で仕事してくれなんて言えません。コロナの影響による幅も、みんなが頑張ってくれる幅もたかが知れています。特にうちのような製造業では、リモートワークも慣れてないので、できる人もいないはずです」 ——完全に経済活動がストップしたら、政府による補助金や財政出動も必要になるでしょうね。 浅野:「補助金頼みといっても、一部を除いて、多くの国ではまだ具体的にフィックスしていませんからね。他の企業とも話す機会がありますが、不確定要素が多すぎて、なかなかシミュレーションできていないのが現状ではないでしょうか」 ——まずはいつもどおりに自分たちの仕事を……という企業も多いのかもしれないですね。

ミスに対する抵抗感が増す

——日常生活での制限も増えているヨーロッパと、未だ大規模なロックダウンに踏み切っていない日本とでは温度差もありそうです。本社との温度差を感じることはありますか? 浅野:「正直ないですね。本社にも同じ温度感でやっていただいている方がいらっしゃるので、今起きている状況に対しては、的確で同じようなことを考えてくれます。ただ、コロナに関係なく、本社にとってどうしても判断が難しいのが、これから想定されるオプションのうち、どれを選ぶかということです。これは海外にある日系企業全般に言えることだと思います」 ——密にコミュニケーションを取っても、やはり物理的な距離感は埋めがたいと。 浅野:「いいとか悪いではなく、その場にいなければ状況や背景は顧みられないですからね。現地従業員の顔色も見なければいけないですし、これからのオプションについても、普段の業務でも、やってみてトライ&エラーをしながら決めてくほうがいい。それが中小企業の強みだと思います。海外での仕事は絶対にセオリーどおりにいかないので、数字や正論だけではうまくいかない。そりゃ本社も判断が難しいよね、ということです」
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