東欧の日系企業経営者が「コロナショック」で目にした光景。現地従業員に取り囲まれ、家族も心労のピークに

 商店の入場制限や交通機関の利用人数制限、公園や緑地、大通りなどの屋外空間の利用禁止など、厳しい新型コロナ対策が取られているポーランド。過酷な戦いが続いているEU圏だが、製造業はかろうじて業務を続けている。

製造業にも押し寄せるコロナショック

創美ポーランドの社内2

創美ポーランドは大手メーカーへの部品提供などを行なっている

 しかし、これら通常どおり営業を続けている業種も、新型コロナウイルスの影響は免れない。また、事態が収束しなければ、いずれ閉鎖や規制の対象となることも考えられるだろう。  仮に日本でもロックダウンが行われた場合、すでに大打撃を受けている飲食店はもちろん、中小規模の製造業も人ごとではなくなるはずだ。  本稿では自動車や家電の大手メーカーに金属パーツを提供している日系企業、創美ポーランド取締役の浅野慶一郎氏に、新型コロナウイルスによる現状や、今後考えられる影響を聞いた。  果たして今後、日本の製造業にも押し寄せるであろう、コロナショックの波に備えるための秘策はあるのか。 ——工場が通常どおり稼働している現在、製造業にとって足下大きな影響は、新規の顧客獲得が難しいことでしょうか? 浅野慶一郎氏(以下、浅野):「そうですね。今は行動制限がありますから。ただ、中小規模の製造業は月に5件ぐらい新規にいければ良いほうですので、大きな影響はないかと。これまで新規営業に力を入れてきたこともあって、2020年第一四半期の売上は昨年同期比120%と、今のところ売り上げに対しての影響はありません。もっともメインのお客様である自動車工場が軒並み工場閉鎖であることは大きな痛手となりますが」

見えざる脅威を可視化する

——大手自動車工場が工場閉鎖になると、中小の下請け企業は、その影響を直接受けることになります。どういった対策を行なっていますか? 浅野:「ウイルスもそうですが、やはり見えないものに対しては不安が大きいですよね。それはビジネスでも同じです。そのため、具体的にどういったことが起こりうるのか、ガンなどのようにステージでわけて、資料や数字を繋げて、どういった対応を取るのかを想定しています」 ——未だ見ぬ経済的な影響を可視化しているんですね。 浅野:「そうした対策を想定している限りは、ウイルスの脅威が見えていることになります。つまり行動できる。見えていない状態で経済的な悪影響をただ悲観するだけ、というのはまっぴらゴメンです。」 ——それは実際のウイルスの検査などにも共通しそうですね。コロナショックが拡大していくなか、従業員の反応はどうでしたか? 浅野:「子どもの頃って、台風が来ると喜びますよね(笑)。初めは世界中で非日常が楽しいという雰囲気もあったと思います。でも、それが1か月、2か月経つと不安になる。ポーランドでは3月11日に全国で学校や幼稚園が休校になりましたが、そのときは10人ぐらいの従業員に取り囲まれました。工場を止めて、休みを取らせることを検討してほしい、と」 ——経営者としては苦しい立場ですね。 浅野:「『ただ、会社を止めたら会社がなくなる。それはもっと困るはず』と伝えました。最近は『会社をやっててありがとう』と言われます。何か社会や日常のなかで、行動しているだけでも救われるので。閉塞感が続くでしょうから、企業はそういう機能も果たしていると思います」
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リモートワーク導入の難しさ
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