東欧の日系企業経営者が「コロナショック」で目にした光景。現地従業員に取り囲まれ、家族も心労のピークに

駐在員の家族への影響

——日本にいる家族との距離感や温度差についてはどうですか? 浅野:「たいしてないですね。それよりも、こちらにいる家族のほうが大変です。異国で外に出られず、人と会うことができないのは精神的にしんどいですよ。打つ手がないことに対する絶望感を感じます」 ——もどかしさがありますし、制限が厳しくなって、個人でできることも限られているんですね。 浅野:国境が閉鎖されて、日本にも帰れない。帰っても2週間隔離される。日本のコロナ対策を見ると、帰るとヤバいこともわかっている。外には出られない。妻はママ友とも話せない。うちは子どもも小さいので、他に捌け口もないし……。子どもも激的に減って、外に出ると白い目で見られるし」

当初、日本よりも薄かった危機感

——ポーランドでは、未成年者は親の同伴なしに外に出ることすらできなくなりましたね。会社内では、そこまで温度差は感じないとのことでしたが、日本経済全体に関してはどうですか? 浅野:「なんというか立場が逆で、こちらではロックダウンされながらも仕事に対する喜びを感じながらやっています。一方、日本では危ないと言いつつ、ふわふわしながら続けているように思います。政府の対応を見ても、なんとか経済活動を維持しているのかと思ったら、どうもなあなあでやっているようですし……。ただ、初めは日本のほうが危機感を持っていて、こちらのほうが呑気だったんです。それが、日本は今こそ騒ぐべき状況なはずなのに、呑気。SNSでも知り合いが花見をやっている様子とか見ますし」 ——危ないと思っているはずなのに、行動が伴ってないと。 浅野:「『なんか危ないよねー』みたいな人ごと感に疑問を感じます。何を考えているのかよくわからない。対応しているのかしてないのか、危ないと思っているのか思っていないのか。本当に危ないとわかったうえで仕事をしているなら、いいと思うんですけど」 <取材・文/林 泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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