車両展示室の北側には、休息のできる屋外展示場があり、信号、鉄道標識、車輪が展示してあります。
それぞれすべて実物で、信号は通電し点灯、動作させてあります。特殊信号発光器は、動画のように実際に発光動作しています。電車でGOですと、これが現れるとトラックが飛び出してきてゲームオーバーです。
それぞれの信号機についてはかなり詳しい説明がなされています。筆者はこの展示を参考に、
以前ご紹介した高知運転所の廃品販売で信号機を仕入れ、レストアして家に設置したいなという野望を燃やしています。
展示されている信号機2018/11/02撮影 牧田寛
手前から特殊信号発光機(特発)(点滅式・回転式)、入換信号機、中継信号機(灯列式・色灯式)、場内・出発・閉塞信号機・誘導信号機
★動画:
特殊信号発光機(点滅式・回転式)2019/11/23撮影 牧田寛
信号機の対面には、線路諸標が並んでいます。それぞれ詳しい説明がありますので、高校生や大人でも十分楽しめます。数が多いので、ここでは筆者が気に入った標識だけご紹介します。
距離標(I号)2018/11/02撮影 牧田寛
1kmごとに設置されている。この標識は起点から114kmを意味する。他に500mごとに設置される距離標(II号)、100mごとに設置される距離標(III号)がある
徐行信号機2018/11/02撮影 牧田寛
臨時信号機のうち徐行信号機である。この場所から速度は時速45kmで徐行することを意味している。
後ろの板塀は国鉄時代のものを再現しているようである
屋外展示場の東面には車輪が展示してあります。定番の蒸気機関車と新幹線電車の動輪と輪軸が展示してあり、軌間(ゲージ)の説明がしてあります。何故か700系で無く800系の輪軸というところにこだわりを感じます。仮に今、フル規格四国新幹線なら800系が採用されます。
C58蒸気機関車243号機第2動輪(左)と800系新幹線輪軸2018/11/02撮影 牧田寛
中央のパネルで軌間の説明をしている。左は狭軌で1,067mm、右は標準軌で1,435mm
C58-243は、四国配備の蒸気機関車で、第17回全国植樹祭でお召し列車を牽引したものである
各種動輪の展示2018/11/02撮影 牧田寛
左からDE10ディーゼル機関車動軸、キハ65急行用気動車動軸、JR四国2000系特急用気動車従軸
後ろを見ると分かるように西条駅南側は住宅街であるため、板塀の後ろは、民家が並んでいる
屋内に戻ると、鉄道模型、パネル、鉄道レイアウトなどの展示室があります。ちょうど鉄道レイアウトでの模型走行時間のために鉄道レイアウトに人が集まっていました。隣には本物の鉄道が走っているのですが、何故か鉄道模型は人を引きつけます。長年の謎です。
既にご紹介した鉄道レイアウトですが、西条駅周辺と瀬戸大橋を模型化したもので見事と言うほかありません。朝、昼、夜と照明が調整され、写真は満月の夜のようです。
本物の運転台を改造し、小型カメラで運転室展望を見ながら運転する制御装置があるのですが、今回も自動運転で使われていませんでした。運転会で使うのでしょうか。とても興味津々です。
自動運転は毎正時で、土日祝日は11時から15時まで毎30分が追加されます。四国鉄道文化館は、大人300円の入場券で1日出入り自由ですので、運転時間になるとお客さんがどっと増えて周りが埋まってしまいます。
とても安い
年間パスポート(大人1000円小中学生300円があり、周りは民家、洒落た喫茶店やレストランもありますので、お客さんはいつでもどこからでも現れるのでしょうか。
自動運転中の鉄道模型レイアウト2019/11/23撮影 牧田寛
反対側の壁面はパネル展示と鉄道模型展示です
鉄道模型レイアウト2019/11/23撮影 牧田寛
運転は終了している。
正面は西条駅周辺、後方は瀬戸大橋
人まで再現しており、見事である
鉄道模型運転装置2018/11/02撮影 牧田寛
本物の運転台を改造したモニタ付きです。
逆転器、マスコン、ブレーキ弁ほかメーターも生きていますが、どうやって操作するのでしょうか
四国鉄道文化館南館に入ってすぐ左手に体験学習の部屋があります。これがなかなか見事で、曲線におけるカントと輪軸踏面の関係を体験できるものはお気に入りです。ほかにもバラスト(砕石)の形状がなぜ丸くないかなど、保守の難しい体験学習展示物を上手く維持しています。
ここまで四国鉄道文化館南館をご紹介してきました。次回から四国新幹線への執念渦巻く四国鉄道文化館北館をご紹介します。なかなかの見物です。
四国鉄道文化館南館全景2018/11/02撮影 牧田寛
小ぶりだが良くできた木造の展示館である
手前は駐車場で、周囲にミニレールが敷設されている
<取材・文・撮影/牧田寛>