既述のように、高知運転所の鉄道用品販売も、2008年までは、ごく普通の小規模な定番品や小物を売っているだけのものでした。筆者は、鉄道鞄が欲しくなって2010年にも一般公開に息子を連れて行ったのですが、そこにはこれまでと全く違う光景が広がっていました。
鉄道用品販売コーナー全景2010/10/16撮影 牧田寛
テントの外になにやら雑然と積み上げられています・・・
鉄道用品販売のテントは、一等地の広場にあったのですが、なにやらフォークリフトの
パレットの上に無造作に積まれた鉄の塊がたくさんあります。最初は展示物かと思ったのですが、なんとすべて販売物でした。
まずはオークションに参戦しましたが、皆さん軍資金がたっぷりあるようで、筆者はあっと言う間に競り負けて何も落札できませんでした。その戦力差は、米軍の前の竹槍郷土兵の有り様でした。
出品物は豪快の一言で、車両を解体するときに車体から切り取った
形式表記(キハ58-199など車体の横に書いてある文字)や、駅から外した
案内板、駅の什器など、鉄道会社らしく大きなものが飛ぶように売れて行きました。但し、
土佐山田駅の出札箱など、開始価格設定を誤ったものは不落でした。皆さん、締めるときは締めるようです。
廃車体から切り取った列車形式表記 2010/10/16撮影 牧田寛
売れました
国鉄銘板2010/10/16撮影 牧田寛
これには入札しましたが、あっと言う間に競り負けしました
こんなものも出品します2010/10/16撮影 牧田寛
駅のワンマン利用案内、大きいのです
土佐山田駅出札箱2010/10/16撮影 牧田寛
駅の切符売り場で硬券切符が入れてある出札箱です。土佐山田駅が無人化されたので出品されました。
さすがは切符という有価証券を管理する国鉄備品だけあって作りがしっかりしていますが、開始価格が高すぎて落札されませんでした
惜しむらくは、
未使用字幕(方向幕)で、「隅から出てきた字幕(方向幕)。詳細不明、おそらく国鉄キハ181系のもの。予備品で未使用」という案内で、巻いたまま5万円スタートしてもだれも入札できません。不落となりました。
2010/10/16撮影 牧田寛
五万円開始で中身不明の方向幕のオークションでは入札されるわけがありません。
広げてみたら凄いものだったので、すぐに翌年に向けてきれいに包装されてしまいました。
筆者は、写真に収めたのでそれで満足・・・・・・・・です
オークションが終わったあと、筆者が一度中身を確認しないと入札できないと職員さんに言ったところ、巻物をほどいて見せてくれました。
オークション終了後、広げてもらった不落品の字幕2010/10/16撮影 牧田寛
17年前に全車廃車となっていた国鉄181系特急型気動車の予備未使用の方向幕です。オークション時に開いてくれなかったので不落となりましたが、広げたらどよめきが起こりました
正体は、なんと
23年以上倉庫で眠っていた国鉄キハ181系用の方向幕でした。これには職員さん、お客一同共々驚きの声で、状態も最高なので絶対に良い値が付く代物だと口々に言い合いました。推測するに、少なくとも四半世紀は死蔵されてきたものでしょう。
残念ながら再オークションとはならず、翌年の目玉品として再出品するとのことで、丁寧に梱包されてしまいました。尤も、皆さんお金を使い果たしていて、再戦は無理そうでしたが。
筆者は、写真に収めて満足すると共に、国鉄時代の優等列車用の方向幕が手描きであったことに驚きました。
2010/10/16撮影 牧田寛
岡山駅の表記がないことから、瀬戸大橋開通(1988年)より前のものと分かります
2010/10/16撮影 牧田寛
拡大すると分かりますがこの方向幕は、なんと手書きです
振り返って、パレットの上の品々を見ると、そこには間近で見る機会の少ない信号灯や標識灯、標識、警告板ほか、様々なものが転がっていました。残念なことに初めてのこともあってか価格設定がおかしく、高すぎるために手が出ませんでした。
翌年以降、
スーパーの見切り品のように値段が下げられて行き、2014年には十分に手が届くようになりましたが、あまりにも重いので最後の踏ん切りが付かないままです。
もっとも、
家の前に入換信号灯や踏切警報灯を置いたら、かなり変な家になります。
実は、写真にはありませんが、1000形気動車の座席を買って帰ったら、こっぴどく叱られて泣く泣く売ってしまいました。勿論、私のめがねにかなったものですから、高いものではなく、少し利益も出ました。もしも入換信号灯を8万円で買っていたら、恐ろしいことになっていたでしょう。
安いものでは、2000系アンパンマン列車のカーテンや8000系電車のカーテンが500〜700円で売られており、中学生が大喜びで何枚も買っていました。筆者も欲しかったのですが、帰ったら叱られそうなので止めました。いまだに少し後悔しています。
DF50-1(レプリカ?) 2010/10/16撮影 牧田寛
かつて土讃線の主だったDF50-1の形式プレートですが、案内では、精密なレプリだったと思いますが記憶が定かではありません。
落札されました
ムーンライト高知ヘッドマーク2010/10/16撮影 牧田寛
ヘッドマークホルダごとの出品でした。
落札されました。
皆さんお金持ちです
手動式行き先表示器(方向幕付き)2010/10/16撮影 牧田寛
手動式なので手でクルクル回して方向幕を動かせます。
落札されました
駅や信号所でよく見る標識2010/10/16撮影 牧田寛
値札が付いていますが、このとき、値段設定が高すぎてあまり売れませんでした。
2014年の写真に見るように、翌年以降、大幅値下げされてよく売れています。
標識灯など2010/10/16撮影 牧田寛
パレットの上に信号やら転轍機の矢羽根付き標識やらが大盛りでした。
この年は価格設定に失敗して多くが売れ残ってしまいました。
矢羽根付き転轍機標識と四灯式信号灯ほか2010/10/16撮影 牧田寛
パレット中央のものは、安全側線用の脱線転轍機標識です
入れ替え信号灯ほか2010/10/16撮影 牧田寛
入れ替え信号灯が8万は高いですが、そもそもこんなものは市中に出てきにくいです。凄く重いので一人や二人では手に負えませんが、玄関に置きたいです
合図灯2010/10/16撮影 牧田寛
それぞれ別売りですが、充電器もあるので修理すれば使えそうです。
フルセットで4500円なり
気象警戒板2010/10/16撮影 牧田寛
これは5千円でも欲しいのですが、我慢しました。
後悔しています
運転士座席2010/10/16撮影 牧田寛
キハ58-199から取り外した運転士さんや車掌さんが座る座席です。設定価格が3万円と高すぎたので売れませんでした。
下に転がっているのは、ブレーキ弁です。写真を撮る直前にマスコン(主制御装置)は売れてしまいました。但しマスコンハンドルは、自動車のキーに相当するので絶対に出せないそうです
客室用扇風機ほか2010/10/16撮影 牧田寛
客室用扇風機にはコンセントプラグまで付いていて、すぐに使えそうなのですが、実はこれは直流用なので、家庭用コンセントに差し込むと燃えます。
乗務行路表2010/10/16撮影 牧田寛
レール輸送や、イベント列車など臨時列車のスタフもあります