フリーゲージトレインにたいへんに熱心だったのは整備新幹線事業が大きく遅れているJR四国で、第1次試験車両が運用終了した後に多度津工場に留置しイベントなどの際に展示していました。
残念ながら工場公開日に行く度に傷みが進んで行きだんだんと留置場所が解体線(重機などで車両を解体する場所)に近づいて行き遂に解体されてしまいました。産業記録としてせめて先頭車くらい保存して欲しかったです。鉄道歴史パーク in SAIJO開業時に無理をしてでも持ち込んで欲しかったです。
ただ、当時は第2次試験車の実験が行われており、実験結果が思わしくなかった第1次試験車保存の熱意が薄れていったのであろうとは思います。全く惜しいことをしました。
かつて多度津工場で展示中の第1次試験車両(GCT01-1)2007/10/13撮影 牧田寛
前年に運用終了し、JR四国多度津工場で留置中。
このときは待遇がたいへんによく屋内展示でした
かつて多度津工場で展示されていた第1次試験車両(GCT01-1とGTC01-2)2010/10/09撮影 牧田寛
実は公式の展示品目からは外れていました。
既に運用終了から四年目で痛みがみられた。手前の線路は解体線で、この3年後の2013年7月より全車解体されました。
3両編成の場合、振動などで予定した性能に遠く及びませんでした
この様に重機の贄という哀れな最期を遂げた1次試験車両と違い、2次試験車両は、一応所定の成果は残し、鉄道歴史パーク in SAIJOで大切に保存、展示されています。現在試験続行中の軌間可変電車第3次試験車での実験は続行していますが、四国新幹線として実用化の機運は下がっています。そもそも四国新幹線構想自体に全く動きが見えません。
しかし愛媛県、JR四国を中心にどうしても新幹線が欲しい四国4県とJRは、機会があるごとに四国新幹線構想をPRし、その中心施設が鉄道歴史パーク in SAIJOといえます。
次回は、新特急車両特別展示と併せて新幹線への執念渦巻く様々な展示をご紹介します。
◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」鉄道歴史パーク in SAIJO編1
<取材・文・撮影/牧田寛>