こんにちは。学生ジャーナリストの日下部です。周りの人たちからは「ひもっち」と呼ばれています。
今年の7月15日、札幌で行われた安倍首相の街頭演説において、
「安倍やめろ」「増税反対」とヤジを飛ばした聴衆2人が、警察官によって排除される事件が起こりました。とても恐ろしい世の中になってしまったと思うと同時に、この事件に関する報道の多くが、法律論に終始し、事の重大さがあまり伝わっていないとも思いました。
そこで今回は、表現の自由が危機に瀕しているという現実を、もっと多くの人に、もっと分かりやすく伝えるために、過去と今を比較し、現在の異常さを可視化していきます。今回はPart2、80年代から2000年代です。
日本で初めて選挙が行われた
1890年から現在までの129年間に、政治家の演説中に国民が飛ばしたヤジを紹介していきます。朝日新聞、毎日新聞、読売新聞のデータベースで、『ヤジ 排除』『演説 ヤジ』などと検索しヒットした1707件の記事から、立会演説会や街頭演説でのヤジを本記事では取り上げています。
【時代背景】「ウィッシュ」で知られる、タレントDAIGOのおじいちゃん。高齢化を見据え、新たな財源である消費税を導入。リクルートの政界での地位を高めるため、同社の江副会長が政治家たちに未公開株を賄賂として譲渡したリクルート事件に関与。竹下首相も未公開株を受け取っていた。
贈収賄事件であるリクルート事件と、消費税を導入したことへ対し
ヤジ1「まず自分が辞職しろ」
ヤジ2「消費税のうらみは忘れんぞ」
ヤジ3「竹下さんが来ると票が減るぞ」
竹下「いろいろヤジをなさる人がおりますが、自分だけが正しいという人を相手にするのはやめようではございませんか」聴衆からまばらな拍手
読売新聞「ムキになって反論する場面もあった」
この5ヶ月後に、竹下首相は辞職した。
<出典:「参院福岡補選、「リ疑惑・消費税」の陣」1989年2月1日 朝日新聞 朝刊、「参院福岡選挙区補選の応援の竹下首相に政治不信の逆風」1989年1月30日 読売新聞 朝刊>
まさしく、お金大好き~ウィッシュ!!! といったところ。
奇しくも「消費税」という点で一致する竹下氏と安倍総理。竹下氏の「反論」は、いまの安倍総理と大差ない感じではあるが、聴衆が野次を飛ばす自由はあり、新聞も変に政権側に忖度するような報道ではない。
【時代背景】宇野首相が芸者の女性との間で、月額30万円で事実上の愛人契約を結んでいた。金額交渉の際に、三本指を立て月額300万円を匂わせたにもかかわらず、実際は月額30万円だったため、「ケチ」と批判された。在任期間69日。
宇野「(消費税について)近々、政府税調に勉強してもらって、見直すべき所は見直します」
ヤジ「信用できないぞ!」
プラカードを持った主婦十数人「(プラカードに)女性は怒っているんだ」「(プラカードに)スキャンダル首相が応援なんて」
<出典:「参院補選応援で全国第一声 前途は多難…宇野首相の遊説」1989年6月19日 朝日新聞 朝刊>
関係ないけど、在任期間も「卑猥」な感じだな!このスケベ!