福田「(東京五輪構想について)開催地です、東京都は」
ヤジ「まだ決まってないぞ」
この6年後2013年9月7日、東京に決定した。
<出典:「自民党総裁選、渋谷ジャック 聴衆、福田さん安心・麻生さん共感」2007年9月17日 朝日新聞 朝刊>
五輪の開催地が東京って、預言してるじゃん。おめえすげーな。
2007年9月19日『自民党 福田康夫氏・麻生太郎氏』
【時代背景】安倍首相が突然の辞任を発表し、福田氏と麻生氏の間で自民党総裁選が行われた。福田氏が勝利し、総理大臣に就任。
福田「東京は大きなビルがある。この高松は裏に行けばそういうビルはない」
ヤジ1「そんなことはない」
福田「けなしているんではないんです。一般的に言うと、都会が発展し、地方はよくない。でも都会は世界と闘っている、東京は発展せざるを得ない」
ヤジ2「一極集中しとって、なんや」
福田「小泉改革が悪かったのではない」
ヤジ3「現場を荒廃させて何を言うか!」
麻生「さぬきと言えば?」
聴衆「うどん!」
<出典:「特集ワイド:総裁選を見に行った 気になる聴衆の反応は…まるで、花火大会みたい」2007年9月19日 毎日新聞 朝刊>
まっとうに政策を語ろうとした福田氏への野次に比べ、麻生氏への「お約束」な反応……。
さ、さすが、うどん県!
Part2では、80年代から2000年代までを取り上げた。Part2の注目点は、政治家のヤジへ対する対応の違いだ。竹下首相と橋本首相は、ヤジへ対しムキになって反論している。また、田中慶秋氏は、「体を捻っただけ」と容疑を否認しているが、ヤジを背負い投げしたとされている。その一方で、宮沢首相は、ヤジに対し反論するのではなく対話のような形で話しかけている。
このようにヤジへ対する対応は様々だが、ヤジを飛ばした人を警察官が排除した事例は存在しなかった。2007年に安倍首相がヤジられたが、現在と違って安倍首相にヤジを飛ばした人が、警察に排除されることもなかった。この時代は、現在に比べて表現の自由が比較的守られていた時代だと考えられる。
◆短期集中連載・政治家ヤジられTIMELINE
<文/日下部智海 a.k.a.ひもっち イラスト/kame>