海洋放出反対派も賛成派も知っておきたい「トリチウム」の基礎知識
トリチウムの存在量は?
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大気中のトリチウムの化学形ごと年変化
もともと地球大気中にはHT(三重水素化水素)の形で0.1mBq/m3の濃度でトリチウムが存在していたと思われる。トリチウムは、核実験により急速に増加し、核実験最盛期にはもとの1000倍を超えるまでに増加していたと思われる。PTBT発効後、トリチウムは漸減し、今日では概ね数十mBq/m3である
百島則幸,トリチウムの環境動態, 富山大学水素同位体科学研究センター研究報告20, 2000, pp.5
PTBT発効後の環境中トリチウム濃度減少が鈍い理由

太平洋での海洋中のトリチウム濃度の深さ依存(1973年と1982年の比較)
深海へのトリチウム拡散が少なく、PTBT発効後、表層水でのトリチウム濃度が減少していることが分かる
百島則幸,トリチウムの環境動態, 富山大学水素同位体科学研究センター研究報告20, 2000, pp.7
東電福島第一原発の「ALPS処理水」問題についての過去記事は以下をご参照ください。
●"東京電力「トリチウム水海洋放出問題」は何がまずいのか? その論点を整理する"
●"議論再燃。「処理水海洋放出」は何がまずいのか? 科学的ファクトに基づき論点を整理する"
この連載の前回記事
2019.09.27
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