パチンコ族議員誕生ならず。尾立候補の落選が業界にもたらすものとは?

 先の参議院選挙において、パチンコ業界の「族議員」として立候補し、筆者がずっと追ってきた(*)尾立源幸氏が落選した。  総得票数92881票、19人が比例当選した自民党で、23位の結果であった。尾立氏を推挙した業界関係者の落胆は顕著であるが、一方でこの結果を妥当であると捉える関係者もいる。 (*参照●パチンコ業界紙に踊った「『おだち』を国政に」。その意味と背景パチンコ業界を利する得票数は20万票。その希望を一身に担う自民党・尾立源幸自民党・尾立源幸候補に向けられた「一大産業なのにマイノリティ」なパチンコ業界の期待と不安  投票日の前日に寄稿した拙文『自民党・尾立源幸候補に向けられた「一大産業なのにマイノリティ」なパチンコ業界の期待と不安』にも書いたが、今回の選挙は、パチンコ業界が初めて挑む国政選挙であり、当初から業界が一枚岩になれるのかということが課題であった。  しかしその目論見は脆くも崩れ去り、得票数約9万のうち、尾立氏の本来の支持母体である大日本猟友会票を除けば、おおよそ業界票6万という結果であった。パチンコ業界関連の従業者だけでも25万人~30万人いると言われているのに、だ。

参院選結果がパチンコ業界に及ぼす影響

 こう言ってしまえば根も葉もないが、そもそも無理筋な話であった。他党からの「鞍替え立候補」であり、支持母体である猟友会の後押しが強いわけでもない。まして世間的に風当たりの強い、パチンコ業界の族議員になる事を公言しての立候補。パチンコ業界票をどれだけ獲得出来るのかが、そのまま尾立氏の勝敗に直結する状況で、業界側には準備をする時間が短すぎた。パチンコ業界団体が尾立氏の応援を合意したのは今年の1月。半年の準備ではすべてが追い付かなかっただろう。  またパチンコ業界内にも積極派と消極派と無関心派がそれぞれの立場を貫き、積極派からすれば、その消極と無関心をひっくり返すことが出来なかった。猟友会側との緊密な連携が図れなかったことも敗因に数えられるだろう。  本稿の趣旨は、しかし尾立氏の敗因分析ではない。今回の参議院選挙の結果がパチンコ業界にどのような影響を及ぼすのかについて言及したい。  パチンコ業界は追い込まれていた。行政の行き過ぎたギャンブル等依存症対策に業界は疲弊していたし、先行きの見通しも持てなかった。だから政治の力を借り、業界の本分を取り戻そうとした。しかしそれは業界を主管する警察行政への「反逆」でもあり、だから万が一にも今回の選挙戦で負けることがあれば、業界に対するより一層の締め付けが行われることも覚悟していた。まさに背水の陣の選挙戦であった。  そして負けた。  尾立氏を積極的に応援した層は、「終わりの始まり」を予感したし(パチンコ業界内では「終わりの始まり」は二年前から始まっているという声もある)、今回の敗戦で政治にも見放されれば業界衰退の加速化をもう止める術はないと覚悟もした。
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尾立氏敗戦は「終わりの始まり」なのか?
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