安倍首相“スシ友”田﨑史郎氏が、何もしない「大学客員教授」になっていた

駿河台大学は「授業も講演もしない教授」と説明

 筆者は、田﨑氏がどういう経緯で駿河台大学客員教授に就任したのか、また何学部でどういう科目を担当しているのかを知りたいと考え、同日正午ごろ、駿河台大学の代表電話へ電話した。  電話に出たアルバイトの女性職員に、私が元共同通信記者・元同志社大学大学院メディア学専攻教授のフリー・ジャーナリストであることを伝え、「大学の広報責任者に取材したい。広報課など、報道機関からの取材に対応するセクションにつないでほしい」と依頼した。  彼女は「どういう取材なのか」と私に聞いたので、「田﨑史郎氏が駿河台学客員教授としてテレビ出演しているので、貴学においてどういう教育研究をしているのかを教えてほしい」などと詳しく取材の意図を伝えた。彼女は「いま担当者が席を外しているので、折り返し担当者から電話をさせていただきます」と言った。  折り返しの電話がないので、同日午後4時過ぎに再び電話したところ、小森千亜・経営企画室長とつながった。女性職員が私の取材依頼の内容を正確に伝えてくれていたようで、小森室長はこう答えた。 「私の部署が担当だ。インターネットの本学HPを見てもらえば分かるが、今年の1月15日から3年間の任期で客員教授として任用した。本学ホームページに掲載している。田崎さんは本学で科目を担当していない。授業もしていない。教壇に立つことはなく、学生との接触は全くない。本学の教育研究一般に助言をしてもらうアドバイザーだ」 「報酬、賃金はいくらか」と聞くと、「報酬、賃金は公表していない」と回答。「どういう経緯で客員教授に就任したのか」と聞くと、「お答えは控えたい」と答えた。

田﨑氏は大学で学生に会うことはなく、研究もしていない

大学の教室 小森室長は「私自身は学内で会ったことはない。田崎氏は大学で学生に会うことはなく、研究もしていない」と述べた。「田﨑氏は授業もしないし、学生に会わないのに、客員教授という名称を使うのは適切か。特にテレビを見ている人は、田﨑氏が大学の先生だと受け止めるのではないか」と聞くと、「本学ではアドバイザーを客員教授と呼んでいる」と答えた。  駿河台大学のウェブサイトを見ると、「駿河台大学では、教育・研究の向上及びスポーツの振興に寄与するため、国内外を問わず、特に優れた教育・研究・実務上の業績または学識を有する方に対して、客員教授等の称号を付与し、本学への指導・助言をいただいております」とあり、田﨑氏が顔写真つきで次のように紹介されていた。 〔委嘱期間〕2019年1月15日~2022年1月14日 1973年4月時事通信社入社。 経済部、浦和支局を経て1979年4月から政治部に異動。首相官邸、外務省などを担当。 その後、政治部次長、編集局次長を経て、2006年7月より解説委員長。 2015年6月から2018年6月まで特別解説委員。 現在は、政治ジャーナリストとして活動。 与野党を幅広く取材。報道・情報番組に多数出演。  田﨑氏は昨年7月ごろから、「時事通信社特別解説委員」という肩書きを使わなくなった。「時事通信労働者委員会」のウェブサイトによると、時事通信社は田崎氏との契約を昨年6月末で打ち切ったという。  田﨑氏は大学で学生に接することはないという。それなのに、テレビ局は「駿河台大学客員教授」という肩書きをそのまま使っていいものだろうか。
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教育研究に従事しない「客員教授」?
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