安田純平さんの妻の深結さん「自殺を考えていた時期も。人とのつながりで救われた」
拘束中は、走馬燈の”予告編“を見た
鎌田さんが安田夫妻に質問した。
「アウシュビッツに収容されていたフランケルという人が、『どんな時も人生には意味がある』と言っている。安田さんも深結さんも40か月の拘束で大変な思いをされた。(その拘束に)意味があったと思いますか?」
「拘束中は走馬燈のように『どこで人生間違ったんだろう』とか『お世話になった人にお礼してなかった』とか、ずっと過去を振り返ってあらゆるものを悔やんでいました。生きて帰えってやり直すんだと。走馬燈の“予告編”を見た。
こんなしょうもない走馬燈を見られたので、残りの人生でそれを少し変えることができたら、死ぬときに少しでも悔いはないのかなと。ジャーナリストとしては、捕まって初めていろいろな囚人がいて、どのように扱われているのか分かった。取材者にはなかなか見せませんから。
ウィグル人のことなどは、捕まらないと知りえなかった。取材というのは、見たもの・経験したものすべてが生きてくるものなので、知り得たことや感じたことなどを本などにしたいと思っています」(純平さん)
「テロとか戦争とか、映画の世界のことと思っていたのがど真ん中に来てしまった。本当に人とのつながりを感じました。大変な時に時間をつくってくださった方々の気持ちに感謝しています。今後、歌や何かで表現できればいいですし、日本が素晴らしいということを伝えたいです」(深結さん)
拘束時の状況については、ブックレット『シリア拘束 安田純平の40か月』(扶桑社)として出版された。純平さん本人が報道の間違いを直し、解説を加えたものだ。
日本には、ものすごく「寛容さ」が欠けている
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『シリア拘束 安田純平の40か月』 2015年6月に取材のためシリアに入国し、武装勢力に40か月間拘束され2018年10月に解放されたフリージャーナリスト・安田純平。帰国後の11月2日、日本記者クラブ2時間40分にわたる会見を行い、拘束から解放までの体験を事細かに語った。その会見と質疑応答を全文収録。また、本人によるキーワード解説を加え、年表や地図、写真なども加え、さらにわかりやすく説明。巻末の独占インタビューでは、会見後に沸き起こった疑問点にも答える
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