橋下徹氏がジャーナリストの岩上安身氏を名誉棄損で提訴
裁判が行われた大阪地裁
元大阪府知事・大阪市長でタレントの橋下徹弁護士が岩上安身・インディペンデント・ウェブ・ジャーナル(IWJ)代表を被告として起こした名誉毀損・損害賠償請求訴訟(リツイート裁判、岩上氏も反訴)の第6回口頭弁論が3月27日午前10時15分から、大阪地方裁判所第13民事部(末永雅之裁判長、重高啓右陪席裁判官、青木崇史左陪席裁判官)第202号法廷で開かれた。
この日の午前中の弁論では、元大阪府職員の大石晃子氏が被告(反訴原告)の岩上氏側の証人として、また、原告(反訴被告)の橋下氏側の証人として、小河保之元大阪府副知事が出廷した。午後は、岩上、橋下両氏が証言台に立った。
大阪地裁は午前8時10分ごろから30分まで傍聴券を配布したが、傍聴希望者は64人で、法廷の傍聴席は90席(記者クラブが13席占有)あり、全員が傍聴できた。
午後1時15分からの証人尋問で、岩上氏と橋下氏が並んで「偽証しない」との宣誓文を順に読み上げた。橋下氏は「偽りを述べず」の部分で噛んでしまうなど、かなり緊張しているようだった。
先に岩上氏が証言した。岩上氏は梓澤和幸弁護士の主尋問で、出版社、週刊誌、フリー記者、テレビコメンテーター、IWJの設立など自身の経歴を述べた。そして、40年間のジャーナリストの仕事ではまず潜行取材を重ね、ファクトを掴み、最後に当事者に当たり取材をして報道することを実践してきたと語った。
橋下氏の提訴については、「橋下氏に取材したことがある。橋下氏は事前の問い合わせも何もなく、いきなり訴状を送ってきた。IWJの業務を妨害する意図があったと思う。私がリツイートした元ツイートについて、橋下氏は『僕が直接職員を自殺に追い込んだと書いていた』と非難しているが、元ツイートは、知事が幹部を叱責したと書いており、自殺した職員を直接叱ったとは書いていない。
ツイートの文章を読めば誰でもわかると思うが、『幹部たちに生意気な口を聞き』で切れている。『幹部たち』とは複数で、複数の人間がみんな自殺したっていう話に、直結したらなってしまう。何よりも述語が大事だが、この述語を橋下氏は、法廷に出している書面、ツイッターなどでカットしている。た、『追い込んだ』の後に句点まで打っている。これは原文の改竄である」と述べた。
坂弁護士は、J-Castニュース、『FRIDAY』、『週刊文春』、『週刊金曜日』、『新潮45』、宝島社など、橋下氏のもと参事だったN参事の自殺と橋下知事の関係について聞いたのに対し、「競合関係にある他のメディアも、の自殺の真相に迫っていたので、ライバルにヒントを与えてはいけないと感じて、本格的な深堀り取材レポートを書く前にリツイートを削除した」と述べた。
この後、岩上氏は「IWJの独自取材で、大阪府の担当者に確認したが、知事の訪台に関する部長会議、戦略会議での決定はなかったという正式に回答を得た。橋下氏のこれまでの説明は事実に反している」と“爆弾”証言した。