要は、今、安倍首相が、2015年のときの、そんなサンプルの入れ替えとかどうとか、そんないちいち細かいことは気にするわけないだろう、みたいな答弁をされているんですけれども、でも、過去の実績がプラスからマイナスに変わるということには、ものすごく問題意識があったはずで、これは
アベノミクスのまさに弱点なわけですよね。
この
配付資料の中で13ページに、「
三本の矢」の話を出してありますけれども(出所:
首相官邸ホームページ:アベノミクス「3本の矢」)、企業の業績の改善が賃金の増加につながる、そういう想定のもとに、まずは企業の業績のために、ということでいろいろな施策がとられてきたわけですけれども、企業がいかに利益を積み足していっても、それが賃金の方に回っていかない、内部留保ばかりが積み増していく。そういう状況に今、実際になっているわけで、そこをこれまで野党はずっと追及をしてきて、(安倍首相は)きちんと実績をもって答えられない状況になっている。
出所:首相官邸ホームページ:アベノミクス「3本の矢」
実績をもって答えられなくなっているから、その数字を曲げてしまおうというのが、今の状況だと思うんですよ。
この配布資料13ページの上の方に、「
成果、続々開花中!」というところも、実はちょっとだましがあって、上の方に「実質GDP」と書いてあって、右の方に「実質民間最終消費支出」と書いてあるんだけれども、
賃金だけ実質と書いていないですね。
出所:首相官邸ホームページ:アベノミクス「3本の矢」
「
賃金引上げ」と書いてあって、これは午前中(の公述人意見陳述)に
明石(順平)弁護士が、名目の賃金が上がっても、物価上昇率がどんどん上がっているから、高いから、結局、実質賃金が下がっちゃっているんだということを指摘していましたけれども、そこの「
不都合な事実」が巧妙に隠されているわけですよね。
出所:「賃金とGDPについて」平成31年2月26日弁護士明石順平
(2019年2月26日衆議院予算委員会中央公聴会 明石順平弁護士 公述人意見陳述 配布資料より)
もう一つだけ。今、2015年にそういうことが変わったとしても、それが変わるのは2018年からだからと、そんなものはもう安倍政権の時代じゃないから、まあ、(自民党総裁の)三選という制度がなかったから、だからそんなことをするわけないだろう、みたいな(安倍首相の)話だったんですけれども、でも、仮に三選がなくても、2018年にこのまま(サンプルの)全取っ替えが継続していれば、2018年にもまた遡及改訂というのがあって、過去の3年間の数字は下がっちゃうんですよ。
だから、「
安倍政権の時代には実質賃金は上がらなかったね」という歴史が残ってしまう。そういうことは避けたかったんだと思うんですよね。
だから、2018年のサンプル入れかえに向けて、何とかそういうことが起きないように、というのが問題意識としてあって、だからこそ、
そこに大きな介入があったのではないかと思います。
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逢坂委員:
どうもありがとうございます。
私は、今、日本の民主主義が非常に大きな危機を迎えていると思っています。それは、数年前から、
公文書の改ざん、廃棄、隠蔽、捏造、こうしたことが、本当に信じられないことなんですけれども、行われているということ。
それからもう一つ。国民の皆さんは、国会で、特に
野党が何で繰り返し同じ質問をしているんだと、いらいらしていると思っているんですよ。でも、その背景にあるのは、実は
国会の議論に必要な資料が出てこない。それからもう一つは、
参考人、事実を知っている人がたくさんいるのに、その人を国会に出さない、こういうことが
国会の議論を非常にわかりにくく、しかも同じことを繰り返し繰り返しやらなければならないような現実を招いているんだと思うんです。
こうした国会で資料も出ないし、参考人も出ないというようなことは、多分、多くの国民の皆様はわからないことだと、私は思うんです。
上西公述人からそのことを御指摘いただきましたけれども、残りのお三方から、こうした国会の現状についての認識、全然これは皆さんは、多分、もしかすると認識がないかもしれない。いや、そんなこと知りませんよという方もいるかもしれないし、ああ、そうだったんですかと思うかもしれないし、それほどひどいんですかというか、こうしたことに対する御自身のそれぞれの御認識というのを教えていただけますか。
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