八幡浜市「使用済み核燃料貯蔵施設」PA講演会で、賛成派研究者は何を語ったか

「地球規模」で語られた脱原子力のリスク

【3)地球温暖化のリスク(資料面数12/64面)】
奈良林氏講演資料 31~34面

奈良林氏講演資料 31~34面。昨年、北半球で発生した大熱波を指摘している。温暖化による気候変動を示す典型現象とされている

 この節では、一貫して化石燃料の使用によって地球温暖化が生じ、1000年後には地球の気温は68℃に達して生物は死滅し、地球は滅びる。それを避ける責任からも原子力は大々的に推進すべきというものである。  陸上だけでなく海も水温上昇で砂漠化し、漁業は破滅しつつある。温暖化によってハリケーン(台風など強い熱帯性の低気圧)は強大化し、莫大な損害と死傷者が発生しつつある。ニューヨークマンハッタンでも多くの人がホームレスになり、20%の子供が飢えに直面した。 「チェルノブイリ事故」と温暖化による死者の数を比較すれば、「チェルノブイリ事故」など数桁小さなもので、二酸化炭素は大量殺戮ガスである。化石燃料を使うことをやめて原子力を使わねばならない。  地球のためにも原子力は必須である。 【4)原発を止めているリスク(資料面数7/64面)】
奈良林氏講演資料 47~50面

奈良林氏講演資料 47~50面

 原発(ママ)を止めていると、いざという時に大停電が起きて莫大な人命が失われる危険がある。経済損失も莫大である。北海道電力泊原発(ママ)は、すぐにでも動かせる状況なのに原子力規制委が審査を止めている。  北海道胆振地震が示すように、原発(ママ)を止めていると命と財産を失う危機となる。  東日本大震災では、柏崎・刈羽から送電したから致命的大停電は避けられた。3.11で首都圏を大停電から救ったのは、柏崎刈羽原発(ママ)からの電源供給である。  2003年北米大停電でも甚大な影響と損害があった。(このことは、送電網の設計と運用の問題であって原子力発電所の有無はあまり関係ない。むしろ大停電が起きた合衆国東海岸からカナダにかけては原子力発電所集中地帯である。北米大停電は、小規模電力事業体の集合体である合衆国の電力事業体にとってたいへんな教訓となった。この教訓によって米欧の広域送電技術は分散型電源に対応して飛躍的に発展し、日本は大きく取り残されることとなっている。)  原発(ママ)を止めていると、再生可能エネ賦課金で90兆円/20年間を超える負担に苦しみ、災害時などに大停電で死ぬことになる。  だから、原発(ママ)はどんどん動かさなければならない。 (先の北海道大地震・北海道大停電と泊発電所の関係は、昨年9月に連載したとおりである。このとき、元経産官僚の宇佐美氏が筆者に誹謗中傷型PAで「かみつく」攻撃をしてきた結果、逆に粉になるまで「かみくだく」逆襲を受けて去って行ったが、宇佐美氏の自信満々PAの原点は奈良林氏にあったものと思われる) (筆者の世代を含め原子力屋は「原発(げんぱつ)」という言葉をたいへんに嫌い避ける傾向が強い。奈良林氏が「原発」という言葉を多用することにはたいへんに驚かされた。) 【5)世界の脱・脱原発と中国のエネルギー政策(資料面数9/64面)】  世界は、おおきく脱・脱原発に動いており、韓国の文大統領は脱原発政策で国民に批判され、台湾の蔡総統も厳しく批判されている。フランスも政策見直しを始めており、中国は将来原発200基に増やすことにした。さらに中国はAP-200(AP-1000の縮小炉)というSMR(Small Modular Reactor)によって143地点(都市)で、石炭によるセントラルヒーティングを置き換えることになっている。  世界は原子力時代へと進んでいる。このままでは日本は取り残されてしまう。 (中国原子炉200基計画は、昔からあるポンチ絵の段階にすぎないが、近い将来、世界第二~三位の原子力大国になることは間違いない) (AP-200という炉はこの世に書類すら存在しない。 SMR構想発祥の地である合衆国では、SMR開発は実用化失敗に終わり、店じまいの最終段階にある。一方でロシアでは浮体型小型熱電供給炉でのリプレイスがシベリアの北極海沿岸奥地で進んでいる) (中国は粗悪で高コスト且つ労働者に犠牲を多く出している小規模炭鉱の閉山を進めている。そのためにも石炭に変わる代替エネルギーを求めている。また、急速な経済発展を支えるための大規模な電源開発に尽力している。結果、風力、太陽光、天然ガス、水力、原子力開発を並行して大規模に推し進めている【6)深地層処分と長半減期核種の消滅処理】  消滅処理、ガラス固化体と言った、HLWの最終処分に向けた開発を着実に進めている。 (「消滅処理」は、景気が良いために著者も好んで使う用語だが、原子力学会は「核変換」への言い換えを長年進めている。消滅処理としてはフェニックス・オメガ計画があったが、20世紀末に失敗に終わり、3.11直後に資料を請求された文科省は書類が残っていないと返答している) 【7)まとめ(資料面数1/64面)】  時間を大幅に超過したため、投影のみとなった。
講演まとめ

奈良林氏講演資料 64面。質問時間冒頭で投影されたもの

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