黒川名誉教授緊急寄稿。疑惑の被ばく線量論文著者、早野氏による「見解」の嘘と作為を正す

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多瑠都 / PIXTA(ピクスタ)

 2019年1月8日に早野龍五氏が、「伊達市民の外部被ばく線量についての見解」(以下「見解」)を文部科学省の記者クラブに張り出し、また自身のツイートで紹介している。  この「見解」には福島県立医科大学の宮崎真氏と東京大学名誉教授の早野龍五氏が、英国の学術誌であり、英国放射線防護協会 (Society for Radiological Protection) の 会誌でもある「 Journal of Radiological Protection」(以下JRP誌)に発表した2つの論文(以下、早野・宮崎論文)、 【第一論文】 ●Individual external dose monitoring of all citizens of Date City by passive dosimeter 5 to 51 months after the Fukushima NPP accident (series): 1. Comparison of individual dose with ambient dose rate monitored by aircraft surveys 【第二論文】 ●Individual external dose monitoring of all citizens of Date City by passive dosimeter 5 to 51 months after the Fukushima NPP accident(series): II. Prediction of lifetime additional effective dose and evaluating the effect of decontamination on individual dose に関連して、不正および捏造の申し立てが東京大学に対して行われたことにつき、事実の経緯と、主としてデータ解析を担当した早野氏が見解を述べさせていただきますと書かれている。「見解」においては、2番めの論文のタイトルが間違って書かれているが、上では正しいものを示しておいた。「見解」は2ページからなり、最初のページには4項目の説明とまとめの文章が書かれており、2ページ目は著者(※この論文の”著者”は早野氏と宮崎氏の2人であり、以降も”著者”と記述したところはこの両名を指す)が見つけたという誤りについて解説する添付資料である。
早野氏の「見解」1ページ目

早野氏「見解」1ページ目 Twitter(@hayano)より

早野氏「見解」2ページ目

早野氏「見解」2ページ目 Twitter(@hayano)より

 この「見解」の最初のページの第1項に書かれているS. Kurokawaとは私のことである。私が第2論文を批判するLetter to the EditorをJRP誌に投稿したことが、この問題のきっかけである。「見解」に書かれた早野氏の説明には言葉の使い方が曖昧かつ恣意的であり、またいくつもの虚偽が含まれている。私は、この「見解」を読んだ多くの人々が早野氏の言葉を信じ、誤った認識を持つことを大いに懸念している。その懸念ゆえこの批判を書くことにした。
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早野「見解」に見られる”詐術”
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