全国各地で起きつつある「地方スーパー」再編。2019年は「業界再編の1年」に?
2018年12月25日、クリスマス商戦中のスーパーマーケット業界を揺るがすニュースが飛び込んできた。
北海道・東北地方の地場流通大手「アークス」(北海道札幌市)、東海北陸地方の地場流通大手「バローホールディングス」(岐阜県恵那市)、中国・九州地方の地場流通大手「リテールパートナーズ」(山口県防府市)の3社が、「新日本スーパーマーケット同盟」と銘打つ戦略的な資本業務提携を締結したことを発表したのだ。
まずは、今回「同盟」を締結した各社の概要についてみていこう。
北海道のスーパー業界を牽引する「アークス」(札幌市)は、1961年に「ダイマルスーパー」として創業。北海道・東北地方で総合スーパー「ラルズプラザ」、「東光ストア」(旧札幌東急ストア)、食品スーパー「スーパーアークス」、「ラルズマート」、「ビッグハウス」など337店舗を展開しているほか、2011年には青森地盤の「ユニバース」と経営統合して以降、岩手の「ジョイス」「ベルプラス」を相次ぎ買収するなど、東北地方への出店攻勢も強めている「北の雄」だ。
「バロー」(岐阜県恵那市)は1958年に「主婦の店」(主婦の店恵那店、岐阜県恵那市)として創業。東海・北陸地方を中心に食品スーパー「バロー」「食鮮館タイヨー」「公正屋」など283店舗を展開。旧マイカル系の衣料品スーパー「三起屋」、ドラッグストア「Vドラッグ」、スポーツクラブ「アクトス」を傘下に持つなど、多角化戦略を採っている。
2015年6月には業務スーパーなどを運営する「トーホーストア」(神戸市東灘区)と資本業務提携を締結、2019年4月を目処にホームセンター準大手でスーパーも運営する「ダイユー・リックHD」(福島市、ダイユーエイト)との経営統合を予定している。
また、自社開発商品(プライベートブランド)「Vセレクト」の充実度は地方スーパーのなかでも随一で、同社系列外のスーパーへのPB商品供給も行っている。
そして、「リテールパートナーズ」は、2015年7月に中国地方西部から九州北部にかけて展開する食品スーパー「丸久」(山口県防府市)、九州各地に展開する食品スーパー「マルミヤストア」(大分県佐伯市)の2社が経営統合して生まれた共同持株会社だ。
2016年には北部九州の地場大手スーパー「マルキョウ」(福岡県大野城市)と経営統合、並行してマルミヤが大分県内に展開する食品スーパー「オーケー新鮮市場」(大分市)を傘下におさめるなど地場中堅スーパーを対象としたM&Aを進めており、イオン・イズミに次ぐ「九州・中国地方の第三極」をめざして規模の拡大を続けている。店舗は中小規模の食品スーパーが殆どだが、2018年8月末現在の展開エリアは九州・中国地方の10県、総店舗数は257店舗に及ぶ。
北海道から九州までの中堅スーパー3社の揃い踏み
※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中 ・ブックオフ・ビンゴ・ヤフオフ!渋谷センター街店、7月22日閉店-渋谷の書店、また消える ・新宿M-SQUAREが竣工-核テナントに「GUCCI旗艦店」、4月6日開店 ・NEXCO西日本、管内コンビニの多くをセブンイレブンに転換-4月中に、一部店舗は「サービス低下」も? ・小田急グループ、セブンアイと業務提携へ-駅売店は「セブンイレブン」に転換 ・小江戸・川越に「和風スタバ」、3月19日開店-観光名所「時の鐘」近くに
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