辺野古基地の土砂投入という「マウンティング」がこの国に落とす影

ついに土砂投入されてしまった辺野古の海

 辺野古基地の建設にかかるお金は、約2兆5000億円。よく面積を表現するために使われる東京ドームの建設費が約350億円と言われるので、東京ドーム71個分の税金が辺野古基地に作られることになります。  各都道府県に新しく2個ずつ東京ドームを作ると考えてもらったら、この土地をめぐる利権がどれくらい大きなものなのかが分かると思いますし、安倍政権、もっと言えば、この辺野古基地のステークホルダーとつながっている議員たちが必死こいて作りたい理由も分かるって話だと思います。  世界一危険だと言われる普天間基地を撤去するためには「辺野古基地を作るしかない」と言っていますが、実はこれ、「仕事を頑張るためには、休日にはキャバクラで遊ぶしかない」と言っているぐらいに因果関係がありません。もし「仕事を頑張るためにキャバクラに行く」と言ったら、いろんな人から「ただキャバクラに行きたいだけだろ!」とか「キャバクラに行かなくても仕事を頑張る方法あるだろ!」とかツッコまれると思います。同様に、辺野古基地を作るだけが普天間基地を撤去する条件ではないので、これはあくまで辺野古基地を肯定するために作られた口先だけのデタラメです。辺野古基地が完成しても普天間基地の撤去が約束されているわけではありません。それはかつて稲田朋美さんが防衛大臣だった時に認められている話です。

沖縄が見せしめにされ萎縮する地方行政

 アメリカ様のために2兆5000億円と言われる税金をかけて辺野古基地の建設が強行されるのは、「地元がどれだけ反対しても俺たちは強行するぞ」という安倍政権のメッセージです。沖縄の人たちに「テメエらがどれだけ騒いでも関係なく工事するからな」というメッセージを送るとともに、実は、全国の自治体に「沖縄を見ろ、逆らってもこうなるんだからな」というメッセージを送っています。そのため、先週から今週にかけて、さまざまな自治体の選挙が行われましたが、本来なら争点になるべきものが争点になりませんでした。  12月16日には佐賀県知事選が行われましたが、ここでは佐賀空港にオスプレイを配備する計画があり、今年2月に自衛隊ヘリが民家に墜落し、パイロットが死亡する事故が起こったのに、これが進められる計画になっています。同日の逗子市長選でも米軍住宅周辺の開発問題が横たわっていますが、まったく争点にならないまま。  12月23日に行われる宮崎県知事選では、新田原の自衛隊基地に米軍のための弾薬庫を建設する計画があり、さらにF35戦闘機やオスプレイが配備される計画になっているのですが、これも争点にならないまま無風の選挙になっています。  自民・公明・立憲民主・国民民主・社民・希望・連合宮崎が推薦する現職の河野俊嗣さんは、米軍のための弾薬庫について「国が決めること」という姿勢を貫き、県として抗議するつもりはないようです。このように、辺野古基地がもたらす影響は沖縄のみならず、実は全国に波及しているということを僕たちは知らなければなりません。
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軟弱地盤の指摘も無視した政府の強行
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