辺野古基地の土砂投入という「マウンティング」がこの国に落とす影

仮に木更津に基地ができるとしたら?

 僕は千葉県民ですが、例えば同じ県内の木更津に米軍基地ができるとして、辺野古基地に反対する人たちのように熱心に反対をするかと聞かれたら、たぶん、そこまですることはないだろうと思うのです。  木更津にはオスプレイが配備される計画になっていますが、木更津の上を事故率の高いオスプレイが飛び交うことになっても、「アウトレットモールがあったり、学校があるのに飛ばしたらいかん!」とプラカードを持って基地の前に行くかと言われたら、そこまでではありません。オスプレイのような欠陥軍用機が飛ぶことには反対であるものの、基地の前でプラカードを持つほどではない。この感覚をそのまま沖縄に当てはめた時、多くの人が辺野古基地の前で抗議をするほど反対ではなかったとしても不思議ではないし、沖縄の人たちに「どうしてもっと辺野古基地の前に来ないんだ」とも思わなくなります。  もちろん、自分の家の上をオスプレイが飛び回り、うるさい上に部品を落とされる可能性があるとなったら基地の前で抗議をするかもしれないし、米兵が関わる事件に巻き込まれた被害者の家族だったら、基地の前でプラカードを持つかもしれません。  辺野古基地のまわりに集まっている人たちが、まるで「左翼活動家」だったり、あるいは外国人だったりするような印象操作を続けるネトウヨがいますが、そんなことはありません。多くの人が「辺野古基地がない方がいいけれど、基地でプラカードを持って抗議をするほどではない」という中で、抗議をしている人たちはこの基地問題が「他人事」ではなく「自分事」であるだけです。  沖縄の歴史を見れば、つい2年前にだって女子大生が米軍関係者の男性にレイプされた末に殺害される事件が起こっているわけですし、その前はこんな事件がもっとたくさんありました。米軍機が墜落したり、部品が落下するような事故だって起こっていて、そういう歴史の積み重ねから基地の前で反対する人たちが増えたと言えます。

「自分事」だから反対している

 よく考えてみれば、大浦湾の美しい海を埋め立てて基地を作るのは「日本を守るため」と言っているのですから、どうせ守るなら首都圏を守るべきであり、どうして東京に基地を作らないのかという話になります。東京の海は汚いし、既にたくさんの工業廃水で泳げるような環境でもないのですから、わざわざ美しい珊瑚の海を破壊し、守るべき生態系を壊してまで米軍基地を作るぐらいだったら、いっそのこと東京の海に作ってしまえばいいのです。日本を守るという意味で言うなら、日本の中枢となっている東京をまず守るべきであり、東京に基地を作るのが最も理にかなっているのに、わざわざ沖縄に基地を作る理由は「基地は沖縄にあればいいから」であり、「本土の基地を減らすために沖縄に押し付けたから」です。  これを沖縄の人たちは「沖縄は差別されている」と感じるのです。しかも、差別しているのが一般人なら「どうしようもない奴もいる」ということで話は片付くかもしれませんが、日本の国会で仕事をしている政治家が率先してやっているのです。実はけっこう深刻な話なのです。
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外野でアホなことを言う「ゆ党」議員
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