宇和島機関区時代の名残か、長大なピット(点検溝)の上を走るので迫力満点です。左になにか居ます。2018/11/4撮影
さて、ここで例のJR四国ご自慢のミニミニ新幹線を探しますと、正門の真ん前に鎮座していました。
鉄道ホビートレイン と銘したキハ32−3です。どうしても新幹線がほしいJR四国が、予土線を走るキハ32−3を多度津工場で改造し、2014年から走らせています。
かっぱウヨウヨ号の左にいたのは四国が誇るミニミニ新幹線車両、鉄道ホビートレインです(中身はキハ32)。2018/11/4撮影
車内には、0系新幹線の転換クロスシートが2基4席あり、HOゲージの鉄道模型が多数展示されていますが、新幹線がどうしてもほしいというJR四国の執念を強く感じます。
後ろから見ると強引さが目に付きます。2018/11/4撮影
JR四国が新幹線導入に拘るのも当然で、新幹線生みの親である十河国鉄総裁が西条出身であるにもかかわらず、とうとうJRグループで新幹線が走らないのはJR四国だけとなってしまいました。
瀬戸大橋、鳴門大橋が新幹線橋として建設されたにもかかわらずのこの扱い、血涙ものですが、なぜか窪川原発騒動のおかげで廃線を免れた予土線に最高速度85k/hの「新幹線車両」を走らせています。ちなみにトイレがないという恐ろしい列車です。2時間以上の乗車で、途中駅は全て無人駅、降りてしまえば次は2〜4時間後です。伊予市以南の予讃線と予土線の普通列車全てに共通する欠点ですが、まったく改善の見込みがありません。理由は簡単で、予讃線海回りと予土線はホームのかさ上げがなされておらず、JR四国開発の1000系などの新型車両(トイレ付き)が運用できないとのことです。高知県と徳島県は、自治体(県)の協力もあってホームの嵩上げが完了しているとのことですが、愛媛県では見通しが立っていないとのことです。
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前方視界はお世辞にも良くなく、平坦で高架が多い予土線以外での運行は難しそうです。2018/11/4撮影
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2時間以上の乗車で、特に予土線では列車の間隔が2〜4時間空いているので、これはないと思います。2018/11/4撮影
ローカル線のホームの嵩上げすら自力でできないというのは、あまりにも情けないと思いますが、やはり危機的にお金がないようです。
さて、入場から1時間以上経つのに、いるはずのモンスター二匹、れっちゃくんとすまいるえきちゃんが見当たりません。ピンクの物販店ではずっと人間が応対しています。場内を探し回ると、かっぱうようよ号の中にいて、ひたすら転車台体験でグルグル回っていました。
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多度津で見かけたミニ列車も盛況です。しかし、例のモンスター二匹(編集部注:れっちゃくんとすまいるえきちゃん)がどこにもいません。2018/11/4撮影
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探していると、転車台でひたすら回っていました。2018/11/4撮影
そのうち出てきて、物販店の前で子どもたちの相手を始めていました。このゆるキャラ、なかなかの人気です。
程なく、売り場に戻ってきた。れっちゃくん&すまいるえきちゃん2018/11/4撮影
後ろ姿2018/11/4撮影
2時間滞在して、十分見て回りましたが15時も近いというのに転車台体験もレールスター体験も大勢のこどもで込み合っています。15時には最終のシャトル列車が発車しますので、余裕を持って乗車します。
閉会間際ですが、レールスター体験と転車台体験はまだ大盛況です。2018/11/4撮影
宇和島駅が近く、近所の住民が多いせいかシャトル列車は混み合わず、程なく宇和島駅に着きました。コイン駐車場までは歩いてすぐで、表示は30分100円ですが日曜料金なのか、3時間停めて300円なり。
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最終のシャトル列車で帰ります。窪川行のキハ32が隣で休んでいます。2018/11/4撮影
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15時発の最終シャトル列車で宇和島駅につきました。お客さんも会場から続々と出てきます。2018/11/4撮影
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シャトル列車は、折返しで近永行、隣には松山行のキハ54が居ます。実は、キハ32は軽すぎて予讃線の勾配を走ることが苦手です。予土線は江川崎まで軽便鉄道時代の名残で極めて低規格のため、軽いキハ32が適しています。2018/11/4撮影
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給油装置2018/11/4撮影
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宇和島駅本屋全景 手前は宇和島鉄道1号蒸気機関車のレプリカ。2018/11/4撮影
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宇和島駅は比較的珍しいターミナル駅です。折返し列車に給油するための給油装置が1番線2番線の間にズラリと並んでいます。(赤い標識)2018/11/4撮影
宇和島市吉田地区の地すべり災害を取材したあと、宇和で食事を取り、野村を経由して国道197号線で帰宅しました。
宇和島はコンパクトな街です。2018/11/4撮影
『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』番外編
<取材・文・撮影/牧田寛 Twitter ID:
@BB45_Colorado>
まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についてのメルマガを近日配信開始予定