産業遺産としても注目されるJR四国多度津工場。公開イベントに行ってきた

知る人ぞ知る「きしゃぽっぽまつり」

 JR四国による「鉄道の日」協賛行事は、四国4県6か所の運転所、工場の公開を中心に行われますが、なぜか他地区の「鉄道の日ふれあい祭り」にたいして、多度津工場だけは「きしゃぽっぽまつり」です。動いている蒸気機関車はいないのですが、謎です。なお、今年は何故か高松運転所の公開がありませんでした。周辺住民から新たな深夜騒音の発生で訴えられたからでしょうか。(※参照:JR四国 列車機械音、響き深刻 近隣住民ら訴え 高松運転所 /香川 毎日新聞2018年8月18日 地方版)電気式クーラーなら変圧して外部電源を取り入れられるように改造すればよいと思うのですが……。
8000系特急型電車

鉄道車両はへこむことが多く、こうやってパテで地つけして再塗装します。8000系特急型電車。2018/10/28撮影

 とにかく正門を通って、中に急ぎます。閉会まで1時間余り、お客は既にかなり減っています。多度津全体でのイベントと同時開催の為、隣のサクラートたどつへ向かって通用門からお客が出て行きます。
キハ58-293

解体場で解体中のキハ58-293 。赤髭をつけてイベント列車で大活躍したが、今はあらゆる装備品を外されて解体場で最期を待つ。2018/10/28撮影

 お金がないせいか、静態保存中の車両や工場建屋の外観は余り状態がよくありません。DF50-1などの貴重な動態保存車が稼働できなくなった事例もあり、資金面での厳しさはいかんともしがたいものがあります。場内には万国旗が飾られ、アンパンマン音頭など、アンパンマンの音楽が低音質大音響で鳴っています。  早速、多度津工場名物の改造中車両の展示を見ます。国鉄時代の121系電車がJR四国7200系電車へ改造中です。JR化直前に、四国会社の経営基盤改善の為に投入された車両ですが、既に車齢31年です。車体を除いて総取り換えという徹底改造中です。この改造作業は、手作業がたいへんに多く、たいへんな重労働を伴うとのことでした。自社車両工場があるからこそ、本来は新車より却って高くつくであろう大改造を行えるのでしょう。  向かいの建屋にはスイッチャー(入れ替え用の小型機関車)とヒ852(業務用控車)がいます。ヒ852には車籍がありませんが、どう見てもバリバリの現役です。  2000系気動車の検修作業の実演は大迫力なのですが、午前中に行かないとやっていないようです。他に、振り子気動車の体験乗車ほか、様々な体験乗車や演示実験を行っています。
軌道自動自転車(レールスター=レールスクーター)

軌道自動自転車(レールスター=レールスクーター)乗車体験はいつも大盛況。2018/10/28撮影

振り子台車

振り子台車の動作実演(手前)と、ブレーキ動作実演(奥)。更に奥の行列は、スタンプラリー。2018/10/28撮影

 キハ54やキハ32、キハ185系気動車などの展示がありますが、今回の目玉は、先日引退した2000系気動車試作車(TSE)3両編成だったようです。TSEの展示場は、解体場への引き込み線で、解体場ではかつて多度津工場で展示されていた髭付キハ58と113系電車がまさに解体中でしたが、少なくともTSEの先頭車2001は、西条で保存されるとのことでした。  JR貨物の参加があるとのことで向かったところ、やや分かりにくい場所で電気機関車とディーゼル機関車の撮影会をやっていました。また、鉄道貨物協会が物品販売を行っており、気がつくと私は20年ぶりに貨物時刻表入りの紙袋を持っていました。JR貨物パーカーが黄色しかなかったのですが、他の色があったら買ったのに……。
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