2月の名護市長選挙でも“争点隠し”で自公連携が進められた
9月11日、那覇市内のホテルで安倍首相の総裁選勝利に向けた決起大会が開かれ、岸田文雄政調会長が佐喜眞候補への支援要請を行った。その後の第2部では非公開の「沖縄振興に関する政策懇談会」に出席。表向きは沖縄振興計画の説明だったが「佐喜眞知事誕生で公共事業が増えるので、支援をよろしく」と受け取る建設業者もいた
今年2月の名護市長選でも、渡具知武豊候補(現市長)陣営は辺野古新基地建設の政策論争を避ける一方、水面下で企業団体への支援要請や公明党・創価学会がフル稼働するという“ステルス作戦”を展開した。
大型選挙に詳しい事情通はこう話す。
「『勝利の方程式』ともいえる“名護市長選方式”を生み出したのは、菅義偉官房長官と佐藤浩・創価学会副会長のコンビです。自公で合同選対を作ってフル稼働をする方式で、自民党が水面下で業界団体に働きかけると同時に、公明党議員や創価学会員も号令一下で電話での支援要請や期日前投票への呼びかけをしていくという手法です。
この自公連携を可能としたのが、両党の政策の食い違いが解消されたかのように偽装する“二枚舌政策協定”でした。
沖縄の公明党本部は辺野古新基地反対なので、渡具知氏と公明党との政策協定に『米軍海兵隊の県外・国外移設』と『日米地位協定改定』を盛り込みました。まるで海兵隊用の辺野古新基地反対の立場であるかのような印象を与えて、公明党を自主投票から推薦に方針転換させました。
その一方、渡具知氏は辺野古新基地推進である自民党の支援も受けていたので、自公の政策ギャップを取り繕った“二枚舌的政策”のボロが出ないよう、辺野古の『へ』の字も口にしない争点隠し選挙を徹したのです」
実際、菅官房長官が9月1日と2日に沖縄入りし、県連幹部との選対会議や佐喜眞氏と一緒に地元経済団体の会合に出席すると、もう一人の”名護市長選方式”の産みの親である佐藤浩副会長も10日に沖縄県内を回っていたという。