嘘を隠蔽し、災害対応よりカジノ利権を優先した安倍政権・与党を忘れてはならない。第196回国会の異様さ「7月」編

2度目の党首討論

 2度目の党首討論では、前回ほとんど質問への回答がなかった枝野代表が安倍総理との討論を諦めて長演説に走るなど、終始「討論」と呼ぶ雰囲気にはならなかった。  その中でも真摯に質問をした議員もいる。短い時間ではあるが、岡田克也無所属の会代表はこう問うた。 “総理、良心の呵責を感じませんか”岡田克也 代表(無所属の会)  安倍総理は、委員長から「時間が来ております」と何度も注意される中、長々と答弁して岡田氏の時間を浪費し、最後に質問しようとした岡田代表に対してこう言い放った。 “やっぱり岡田さん、ルール守んなきゃ”安倍晋三 総理大臣(自由民主党) (参照:党首討論、岡田vs安倍で「時間超過」の要因を作ったのは誰か? 発言を書き起こして検証してみた:ハーバービジネスオンライン)  この国の総理がいかなる人間なのかということが明確になった、という意味では、意味のある党首討論であったと言えるのかもしれない。

カジノ法案の成立へ

 豪雨災害の被害も明らかにならない中で、カジノ法案が採決されることになる。  とりわけ、災害対応の陣頭指揮を取るべき国土交通大臣がカジノ答弁に縛り付けられることが問題視された。  野党からは「退席してもいいので災害対策してほしい」という提案がなされるほどであった。  それでも、政府の強い意向によりカジノ法案は成立することになる。最後まで強硬に抵抗したのは自由党の山本太郎共同代表だった。 “今回のカジノ法案ではほとんどカジノのこと聞けていないんですよ。それはおまえが質問しなかったからだろうって言われるかもしれないけれども、それどころじゃないんだよってことなんです。どう考えたって優先順位は災害対応だろうって。”山本太郎 共同代表(自由党)――7月19日 参議院内閣委員会(参照:12日内閣委員会で山本太郎がぶつけた、極めて真っ当な正論について:ハーバービジネスオンライン)  いずれにせよ、政府の優先順位が何なのか、この上なく明確にしたのが終盤国会であったと言えるだろう。
次のページ
突きつけられる不信任案に嗤う安倍首相
1
2
3
4
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会