12日内閣委員会で山本太郎がぶつけた、極めて真っ当な正論について

HBO取材班

参議院インターネット審議中継より

 死者200名超、行方不明者60人――。  これが本稿執筆時点で判明している、西日本を襲った豪雨のもたらした被害だ。もっともこれは死者・行方不明者だけをカウントしたもの。家屋が流されて避難所暮らしを余儀なくされる人や辛うじて残った住まいの片付けに追われる人など、被災した人々の数は、この数百倍に昇るだろう。一部では今回の水害を「平成最悪の水害」と呼ぶ声まで出てきた。 西日本の水害があまりにも甚大なため、すっかり忘れ去られてしまった感のある七月初旬の北海道水害も忘れられない。あの水害では旭川市街が浸水するなど、あまり報道されない重大な被害が発生している。確かに平成最後の年の六月末から七月上旬にかけて日本列島を襲った梅雨前線の被害は、「平成最悪」との呼称がふさわしいかもしれない。  この未曾有の大水害にあたり、安倍政権が見せた初動の動きはあまりにもお粗末だ。 ●広域被害、政府を翻弄=初動遅れ、挽回に懸命-西日本豪雨」時事通信)「豪雨よりカジノ審議」野党が国交相出席批判(毎日新聞)宴会に寿司。記録的豪雨が西日本を襲う中、安倍首相や被害の大きい地域選出の議員たちの行動が物議(HBO)  現政権の「危機意識のなさ」は、初動の遅れだけではない。世耕弘成大臣を始め、各閣僚や自民党幹部たちは「先手先手の対応をしている」とうそぶく。しかし実際に、政府・与党が国会で何をしているかというと……カジノ法案の審議と水道民営化関連法案の審議だ。  自民・公明を除く、野党全党(そう維新の会も含む!)は、今回の水害被害が徐々に明らかになってきた先週6日ごろから断続的に、国会の議事進行を司る各委員会の委員長及び与党幹事長たちに対して、「法案審議は後回しにしてもいい。ぜひ、政府与党は災害対策を優先してくれ」との趣旨の申し入れを断続的に行った。しかし、政府・与党が出した答えは「その必要はない。既定通りの日程を進める」というもの。つまり、政府・与党は国会審議―つまりは、カジノ法案と水道民営化関連法案の審議をーを、災害対策より優先する判断を下したのだ。  この判断の「おかしさ」については、すでに各方面から批判の声が上がっている。本サイトでもすでに「豪雨災害対応よりカジノ法案を優先した安倍政権は本当に「危機管理」に優れているのか?」として指摘した通りだ。

政府の姿勢に続々あがる批判の声

 当然のことながら、こうした政府の姿勢を疑問視する国会議員は数多い。主に参院を中心として今日も開催されている国会の各位委員会質疑では、主に野党議員から直接的に「審議よりも災害対策を」と政府側委員に対して言葉が投げかけられる事例も増えてきた。  その中でも出色なのは、山本太郎参議院議員が昨日(2018年7月12日)行った 参議院内閣委員会での質疑だろう。  この質疑の中で山本太郎議員は、今回の政府対応と、東日本大震災の際の政府対応の違いを「過去の災害対応と百八十度違う振る舞い」と指弾し、しかも水害報道の陰に隠れて、カジノ法案や水道民営化関連法案等、国民生活に深い関わりを持つ法案を強行に審議・採決しようとする政府の姿勢を批判する。  未だ水害被害の全容さえつかめず、各地でボランティアや公共団体の職員が必死の救助活動を行なっている最中に、政府への批判の手を緩めない山本太郎氏をはじめとする野党の姿勢を「非常時にも政府批判か!」と非難する向きもあろう。しかし、しかしである。野党はもとより「非常時だから国会は後でいい」と申し入れしていたのだ。山本議員はまずこの姿勢から批判する。  内閣委員会での質疑といえども、これは、山本太郎による「救国の獅子吼」ともいうべき大演説。区々たる論評は差し控え、40分弱の質疑の書き起こしのため、かなりの長文となるが、まずはその全容の書き起こしを読んでいただきたい。
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山本太郎議員「救国の獅子哮」全文書き起こし
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