12日内閣委員会で山本太郎がぶつけた、極めて真っ当な正論について

国ができる被災地復興を積極的にアピールせよ

山本:まだ全体は分かりません、この後増えていく可能性の方が高いだろうと。  土砂が家屋に流れ込めば、たとえ床下であろうと、その泥を早くかき出さなければ柱、それだけじゃなく壁、これ腐る可能性がある、カビによる感染症が発生する可能性がある。この気温が高い状況であれば、そうなる可能性、当然高まり、感染症、伝染病、ひょっとしたら蔓延することも考えておかなきゃならない。地元の医師や感染症対策の専門家とDHEATが努力をしてくださったとしても、いろいろ教えてくださったとしても、その元々の原因となる泥をかき出したりとか原因となる部分を乾かしたりとか消毒することができなければ被害は抑えられません。  先日お伝えさせていただきました、災害NPOに入っていろいろ支援している友人がおりますと。今までの豪雨災害と比べて、もう比較にならないくらいひどいと彼が言っています。水害は二週間が勝負だと。今からでも間に合う、だから助けてくださいということを提案させてください。ここからはどうか先手先手でお願いしたいと思います。  家屋に流れ込んできた大量の土砂、二階部分にまで届くほどの土砂で埋もれる家もあるそうです。外から玄関のドアまで土砂による厚い壁になっていることも多々あるという。資料の四、それの一枚目です。一年前ですね、北九州の豪雨、そこに災害支援で入ったときの写真です、彼が。上段左の写真、民家に押し寄せた土砂、誰に助けを求めればいいんだろうという状態ですよね。個人宅、個人宅は結局民有地扱いですから、自衛隊や役所は積極的には泥かきができない。家の者だけの手作業でやれるレベルではないですよね。  資料左上に、見ていただくと、民家の周りを埋め尽くす土砂をショベルカーでかき出していき、最後に周りの土砂が取り除かれ、電気がついて生活ができるようになっていくというのが一枚で御覧いただけると思うんですね。左側、下段の女性、ここのおうちの方らしいんですけれども、最初はもう完全に諦めて途方に暮れていたと。しかし、このボランティアの集団が、大丈夫ですよといろいろ説明して、やっていきましょうということを言いながら作業に取りかかっていったと。  めくっていただいて資料の四の二、復旧の様子二と書かれたものですね。写真の一枚目、小型のショベルカーなどを使わなければ到底追い付かない。これ、小型というところが大事なんですよね。災害NPOが自前の小型重機、NPO自前の小型重機ですって。これを現地に持ち込む、そしてお手伝いをしている様子。家の周りをこんなに土砂が埋め尽くしており、これ、二台のショベルカーで作業したと。この量の土砂、人力だけでは何ともならない、小型ショベルカーがなければカビの発生に間に合わなかったかもしれない。  もう一枚おめくりいただいて資料の四の三。家屋の中に流れ込んだ土砂をかき出す様子。そのような作業もボランティアがやるしかない状態、そういうことがほとんどだと。じゃ、どうすれば生活再建急げるんですかという話なんですけど、友達に聞くと、各自治体や集落ごとに小型の重機、これ数台稼働できるような状態にしてあげれば随分機能するというんですね。小型重機を大量にリースしてくれるというコネだったりとか重機をオペレーションできるマンパワーなかったら難しいよねという話をしたら、中山間地、中山間地域、山間地域ですね、土砂の影響を受けたようなところは結構農家が多いんだと。シーズンオフには土建業を手伝ったりする人も結構いて、それぞれの地域に一人や二人、アルバイトで土建屋さん手伝っているとかという人がちっちゃい集落にも必ずいらっしゃるんだと。つまり、小型重機を扱える人が小さな集落に必ずいると、数々の災害現場を渡り歩いた実感、教えてくれました。  全国の小型重機をリースできるような業者、このデータの集積、国にあれば災害時にスムーズに采配できることにつながるんじゃないかなと思うんですけれども、現在の災害の復旧に入った際にも、これから起こり得る災害のためにも、是非そのようなデータベースを作って、復旧を一刻も早く進めるような、この小型の重機をいろんな集落に配備できるような、その元々のデータベース、ここからだったらこれぐらい調達できるとかというようなデータベースというものを作っていけるようなお話を関係閣僚と、大臣、お話ししていただけませんかって、またお願いかよって思わないでくださいね。是非お話ししてもらえませんか、関係閣僚と。お願いします。 石井:建設機械ですよね、は、多分私ども、私の、関係閣僚といいますか、私、所管かと思いますので、ちょっと省内で検討してみます。 山本:ありがとうございます。すばらしいですね。所管でぴたっと話が前に進むということがあれば最高です。ありがとうございます。よろしくお願いします。  本当に、この私の友達が支援に入っているのは、昨年豪雨があってから一年近くずっとフォローし続けて、やっと次の災害地域に移っていくというようなやり方をやっているような、本当に、しばらく定住しながらずっとそこの復興を手伝っていくということをやっているんですけれども、必ずこれは必要だと、これがあればスピードアップできるという話をしていました。是非よろしくお願いします。  今回の西日本豪雨において、とにかく家屋の中など民有地に流れ込んだ大量の土砂を排除するのに、国からの補助金、交付金があればその種類、概要を教えてくださいというお願いなんですが、あと、済みません、六分ぐらいしかないので、ショートバージョンで言えなければ私が読んでいこうかなと思うんですが、いかがでしょうか。済みません、内閣府とこれ、国交省のお願いなんですけれども、大丈夫ですか、ありがとうございます。 政府参考人(米澤健氏、以下、米澤):内閣府の所管で申し上げますと、補助金や交付金ということではございませんけれども、災害救助法の枠組みの下で、県が事業主体になりまして、半壊又は床上浸水した住居で土砂等を取り除くと、一時的に居住できない状態であって自力で障害物の除去ができない者に対しまして取り除くということができることとなってございます。 政府参考人(廣瀬隆正氏、以下、廣瀬):お答え申し上げます。  国土交通省といたしましては、堆積土砂排除事業によりまして、宅地所有者などが集積場に搬出した土砂を市町村が処分場まで運搬して処理、処分する費用の二分の一を補助してございます。  また、宅地に堆積した土砂につきましても、二次災害が懸念されるなど、土砂の放置が公益上重大な支障となる場合に、市町村が宅地から直接排除する際には同事業の対象とすることもできるようにしております。  以上でございます。 山本:ありがとうございます。両方ともこれ非常にすばらしい事業でして、これをフル活用しなきゃいけないんですけど、周知されていないというのが一番の残念な点なんですね。  一つなんですけれども、恐らく国交省の方が先ほど、基本的にはボランティアが一般の宅地をやるんだよというような考え、整理だとは思うがというところでもう一つ言われたのが、土砂の放置が公益上重大な支障となる場合は、市町村が宅地から直接排除する際には同事業の対象とすると、そこに関しては国からお金出るよという御説明をいただいたと思うんですけど。  ここに関して、例えばですけれども、個人宅の床下などの泥をかき出す作業、これが遅れてしまえば、カビの発生など公益上重大な支障となるというふうに判断してお手伝いいただくというか、国からの補助を受けるということを何かお願いすることはできるんですかね。いかがでしょう、可能性として。短くお願いします。 廣瀬:御指摘の公衆衛生上の障害についても、一応公益上の支障になるというふうに解釈して、支援できるようにしてございます。 山本:ありがとうございます。できるというお答えだったと思うんですけど、ここを、そこも、そこまで含めた上でしっかりと周知していただきたいんですね。  かなりのお宅が今回、恐らく床下だったり、いろんなところに土砂が入ってきてもう困り果てているというところに、ボランティアの数が足らなければ、これ本当ににっちもさっちもいかないというか、もう生きていくのもつらいという状況に陥る可能性があるので、できれば、大臣、これ、昨年の豪雨のときには、東峰村、名前聞いたこと当然皆さんあると思いますけれども、甚大な被害を受けたところですけれども、ここの村では先ほど御紹介していただいた二つの事業はほとんど使われていなかったという話があるんですね。ということは、周知徹底されていなかったということなんですよ、そうなんです。  だから、被災地限定で、政府広報で、泥をかき出すのに国のお金が出るんだ、人を雇えるんだ、重機が使えるんだということを、地域限定のコマーシャルでも結構なので流せないかということを関係閣僚と御相談いただけないですか。 石井:この度の災害に当たりましては、ただいま御説明申し上げました堆積土砂排除事業の活用を促進するため、国土交通省では7月の9日の時点で、この制度の概要や活用に当たっての留意点について、都道府県を通じて各市町村に既に周知をさせていただいたところでございます。  引き続き、被災地方公共団体と緊密に連携をしながら、被災地の復旧に向けて最大限の支援をしてまいりたいと考えております。 山本:ありがとうございます。  もちろん既にもう通達はしてあるよというお話だったと思うんですけど、これ、知られていないから使えなかったというのが前の災害であったという話なんですね。  是非、政府広報などでインフォメーションできないかということを是非お願いしたいんですけど、いかがでしょうか。そういうお話をしていただくということはいかがでしょう。 石井:政府広報というのは一般の方に対する広報でありますから、これはもう当該被災の市町村に直接しっかりと重ねて周知をしていきたいと思っております。 山本:ありがとうございます。  恐らく、こんな被災を受けて、いっぱいいっぱいで一生懸命に頑張っていらっしゃる職員の皆さんではなかなか手が回らないので、どちらかというと被災者の方々に直接伝わるようなインフォメーションを考えていただけたらと思うんです。  もう一つお願いしたいのは、ごめんなさい、もう時間がないので私が読みますが、プッシュ型支援をしてくださっていると。要は、間に合わなかったらいけないので、こっち側でニーズを考えてどんどん送っていくねという支援をしてくださっている。これ、非常に好評だということを聞いています。そこに関して、もう一つプッシュ型支援を増やしていただけないですかというお話です。  避難所、体育館に詰め込むということで、かなりの数の方々がもう疲弊されちゃう、その状況の中で、関連死ということで命を落とされている方というのもいらっしゃる。ここに関して、どうか、もう既にシステムとしてはあるんですよ。でも、例えば被災県が自分たちで、どこかホテルとか旅館とかに対して空きがないか、これぐらいの人数だというマッチングをわざわざその宿泊者団体、宿泊をやっているような団体とやり取りをしなきゃならない。これを国が一元化できないですかって。今これぐらいだったらいけるよ、どれぐらい必要だ、避難所これぐらいで、人がこれぐらいいるんだったらこの地域に分散できるぞというような情報を国から与えるような、多分いけると思うんですよ。例えばトリバゴだったりとかじゃらんみたいなサイトがあるぐらいですから、情報を集約するというのは元々。オンタイムで見ていけるというようなことをやりながら、情報提供をしていきながらマッチングしてあげるというようなことを是非考えていただきたいんですね。  いかがでしょうか、政務官。その後、できれば国交大臣とも力を合わせてということを国交大臣にもお願いしたいです。 委員長:時間が過ぎておりますので、答弁者は簡潔にお願いをいたします。 大臣政務官(山下雄平氏、以下、山下):事前にも市町村への取組指針などで旅館やホテル、企業などの協定を結んでいくようにということも盛り込んでおるわけですけれども、事後においても、内閣府として避難者の方が適切な支援を受けられるように、市町村に必要な避難の場所を確保できるように促していきたいというふうに考えております。 委員長:時間が過ぎておりますので。 山本:大臣、お願いします。 委員長:じゃ、大臣、お願いします。 石井:今般の豪雨災害に際しまして、被災者の居住環境を確保するため、自治体から被災者の避難場所として旅館、ホテルの提供要請があった場合には可能な限り協力いただけるようもう既に宿泊関係四団体に対して国土交通省として依頼をしているところでございます。このような中で、岡山県と地元宿泊関係団体との間で被災者への旅館、ホテルの提供について調整が行われていると聞いております。  こうした取組の結果、昨日時点で41の旅館、ホテルにおいて合計800人の受入れが可能となっておりまして、既にお年寄りや幼いお子さんのいる家族、体の不自由な方を中心に二十数人の被災者が旅館、ホテルに入所していると承知をしております。 山本:終わります。 参照:参議院インターネット審議中継:http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?ssp=34862&type=recorded <文/HBO取材班>
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