より「働かない」工夫をすれば、「いざという時に儲ける術」も得ることができる!?

「ナリワイ」の醍醐味

満月の写真1

閉店日3/31に、店に来られない常連さんたちが送ってくれた満月の写真、その1

満月の写真2

閉店日3/31に、店に来られない常連さんたちが送ってくれた満月の写真、その2

満月の写真3

閉店日3/31に、店に来られない常連さんたちが送ってくれた満月の写真、その3

 そうは言っても、人生のステージで多めのお金が必要になることは多々ある。その時は、売り上げや収入を自在に上げればいい。頑張ればいい。その期間が終わったら、また働く時間を減らせばいい。  普段から精一杯稼ごうと無理して頑張っていると、それが難しい。息切れしてしまったり、ウツになってしまったり。理不尽なことだって多いし、全力な時ほど事故や病気の可能性が高まる。  むしろ、全力の5~6割くらいで走っている、もしくは歩いている、くらいで仕事に取り組んでいれば、いざお金が必要な短期間だけ100%で走るとか、歩いていたけど少しだけ走ってみる、くらいで済むわけだ。会社勤めだとその調節は難しいが、自分で作り出した仕事(ナリワイ)では本人が決断するだけなので、簡単だ。  そんな生き方のほうが、メリハリがあって面白いと思わない?  3/31の最終営業日は、神様のご褒美か、はからずも満月。雲に隠れることなく美しい真ん丸姿を現した。そういえばお月さんも、細くなって消えたり、膨らんで丸くなったり、繰り返し姿を変えて俺らを魅了する。月が毎年大きくなるほうが奇妙で恐ろしい!  それにしても、週休3日にして随分と売り上げを損していたことが明確になった。「あぁ、やっぱりもっと儲けておけばよかったかな!」と一瞬だけ頭によぎったが、すぐにフェイドアウトしてくれた。14年間ずっと全力疾走していたら、金は残っても過労死しただろう。自分で落とし所を決めることこそ「ナリワイ」の醍醐味だ。お月さんが微笑んでいる。 【たまTSUKI物語 第5回】 <文/髙坂勝> 1970年生まれ。30歳で大手企業を退社、1人で営む小さなオーガニックバーを開店。今年3月に閉店し、現在は千葉県匝瑳市で「脱会社・脱消費・脱東京」をテーマに、さまざまな試みを行っている。著書に『次の時代を、先に生きる~まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ』(ワニブックス)など。
30歳で脱サラ。国内国外をさすらったのち、池袋の片隅で1人営むOrganic Bar「たまにはTSUKIでも眺めましょ」(通称:たまTSUKI) を週4営業、世間からは「退職者量産Bar」と呼ばれる。休みの日には千葉県匝瑳市で NPO「SOSA PROJECT」を創設して米作りや移住斡旋など地域おこしに取り組む。Barはオリンピックを前に15年目に「卒」業。現在は匝瑳市から「ナリワイ」「半農半X」「脱会社・脱消費・脱東京」「脱・経済成長」をテーマに活動する。(株)Re代表、関東学院経済学部非常勤講師、著書に『次の時代を先に生きる』『減速して自由に生きる』(ともにちくま文庫)など。
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