それに対して、米国議会はトルコから6機受注をしている戦闘機F-35の供給を控えるとしていたが(参照:「
HBOL」)、その1機はつい最近トルコに納品されたということがトルコ政府によって明らかにされ、2機目も数か月以内に納品すると今度は米国務省が明らかにした。しかし、残り4機は少なくとも2020年まで待たねばならないとしている。同年初頭にロシアはS-400をトルコに納品することになっている。米国は、2020年までのトルコの動きを牽制したいようである。
トルコは自国のインジュリク空軍基地が米空軍によって利用され、そこからシリアへの偵察や空爆の出発基地となっている。それが理由で、エルドアンは米国はトルコから離れることはできないと内心考えているようであるが、米国は徐々にこの空港の重要性をルーマニアなど他の地域に移しているという。
この先、米国との関係がどうなるのか? そしてロシアへのさらなる接近はあるのか? 内政とともにエルドアン体制もさまざまな問題を抱えている。
<文/白石和幸 photo by
Musa-Kose via pixabay(CC0 Public Domain)>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。