日大反則タックル問題:米ハイスクール時代に、NFL選手も輩出した名伯楽の元でプレイした人物はこう見た
2018.05.23
多忙なビジネスマンでも、米ロの特殊部隊が採用したトレーニング器具なら運動不足が解消できる!? など)してくれたことがあるケトルベル・トレーナーの松下タイケイ氏は、米在住のハイスクール時代に、自身もアメリカンフットボールのプレイヤーとしてチームに所属していたことがある。そんな松下氏に話を聞いてみた。
「アメフトは激しいスポーツなので、ディフェンス選手は反則になるならないのギリギリの線で賭けに出る行動を推奨されることもあります。ディフェンスラインマンはアメリカンフットボールの中でもルール制約が最も緩く、オフェンスが相手を掴んでならないのに対し彼らは掴むことができ、好き放題暴れても適用される反則が少ないのです。
しかし、それでもあの反則は、クォーターバックが投球後にパス不成功を見届けてから6歩走っています。そこで襲っていたので、ここまで酷いのは初めて見たレベルです。投球後のクォーターバックは、誰かが襲うことを想定しないので入れていた力を抜いて無防備状態になります。そこへ背後から襲撃することは大きな負傷に繋がります。背部ですから脊椎損傷などの危険もあります。実に危険性の高い反則だと思います。反則に起因するものではありませんが、半身不随の事例はNFLにもあり、1978年のDarryl Stingley 1991年のMike Utley 1992年のDennis Byrdなどがそれに当たります」
それほど酷い反則について、その反則を行うような指示が監督から出るということはよくあることなのだろうか?
「確かに、『壊しに行け』が相手クォーターバックの判断力を翻弄させるくらいプレッシャーをかけることを意味することもあります。しかし、あの試合では、この反則により関西学院が40ヤード進み、結果として7点の得点につながりました。最終的に7点差で関西学院大学が勝利しています。ラフプレイが監督指示だとしたらその結果で試合に負けているわけです。ラフプレイが試合を壊すことは第一線の監督が十分理解していることです。指揮系統がどこかで壊れていることがうかがえます。
今回、元監督と当該選手との接点があまりなかったことが明るみに出ました。選手と監督間のコミュニケーションがどのようになっていたか疑問です。監督自身がどれだけの頻度で練習を指揮し、選手をどのように管理していたのかもわかりませんが、もし監督から『怪我をさせろ』という意図を持った指示が直接出ていないにしても、監督から選手まで伝言ゲームという形で伝わったかもしれません。コーチ陣にはオフェンス担当、ディフェンス担当の他各ポジション担当が居ます。他にコーチ見習いのような立場の人たちもいるかと察します。ただ、仮に伝言ゲームだったとしても、1プレイ目クォーターバックを出場させなくする等の文言がコーチから出たこと考えるとやりすぎだとしか思えません」
アメフトの日本大と関西学院大の定期戦で、日大の選手が関学大の選手に悪質なタックルをして負傷をさせた問題について、22日に反則を犯した選手が異例の会見を行い、自らの過ちを詫び、監督やコーチサイドからの指示があったことを、具体的に語った。その会見で、選手が真摯に語った言葉はあまりに重く、さらなる波紋を呼びそうだ。
果たして、一連の問題について、アメフト、しかも本場アメリカのハイスクールでプレイしたことがある人物はどう見るのだろうか?
当サイトで、ケトルベル・トレーニングやロシアの鍛錬法について寄稿(参照:
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