酷使されるAmazon労働者の怒りが欧州で爆発! スペインAmazonの労働組合は次なるストを計画

マドリードにあるAmazonの巨大物流センター photo by Álvaro Ibáñez via flickr

 ブラックな労働環境が以前から批判の対象になっているAmazonだが、EU圏内の国ではAmazonの物流拠点で働く労働者によるストライキが活発化している。  昨年11月には、ドイツやイタリアの物流拠点や倉庫でストが決行され、さらに今年3月には、スペインで「父の日」を睨んでのストが行われたのは先日報じたとおりだ。(参照:「欧州に広がるAmazon労働者の反乱。今度はスペインAmazonで「父の日」後の2日間、全面ストに」)  3月のスペインのストは、スペインのアマゾンを代表するマドリード郊外のサン・フェルナンド・デ・エナレス(San Fernando de Henares)市にある同社のロジスティック配送センターで働く労働者が主導したもので、彼らは当初の予告通り3月21日と22日の二日間ストライキを敢行した。正社員と契約社員の98%がストに参加あるいはそれを支援する行動を取ったという。組合側の発表によれば、ストに参加せず勤務に就いた者は38名だったという。(参照:「El Periodico de Aragon」)  しかし、ストの結果は必ずしも芳しいものではないようだ。契約社員で契約期限を迎えた社員の80%は勤務継続の更新がされなかったことも明らかになっており、組合側ではそれを会社側の報復措置だと見ている。  同社の社員が加盟している労働組合のひとつ「労働独立同盟(CSIT)」のフアン・マヌエル・ロサドは「会社側が透明性に欠けるので正確に(更新されなかった)社員の数を掴むのは難しいが、挙げた(80)パーセントあたりの人数だ」と述べながら、 「この数日、新顔の社員を数十人見かけるようになった。これ(新顔社員が増えたの)がストに参加した為に契約社員が受けた罰としてより明白な証拠になる」と取材に答えている。  <契約社員は全社員の25%を超えてはいけない>と規定されているが、昨年の場合は60%まで契約社員で占められていた期間もあったと組合側は指摘している。新しく契約社員が入って来ているが、これまで優秀な契約社員もストに参加したということで契約の更新がされなかったことに組合側では残念がっている。(参照:「El Confidencial」)
次のページ
Amazon側の対スト戦略
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会