酷使されるAmazon労働者の怒りが欧州で爆発! スペインAmazonの労働組合は次なるストを計画

白石和幸

Amazon側の対スト戦略

 ストを敢行した社員たちは受注商品の発送が滞って会社側でその損害が出て、それが社員の待遇改善の反省材料になることを期待していた。ところが、会社側ではそれに対応する臨時の処置として、顧客からの注文商品をバルセロナのアマゾンやフランスのアマゾンから発送させていたことも明らかになっている。勿論、その場合は発送費用は余計に掛かるが、臨時の対応としてその様な手段を選んだのであった。(参照:「Xataka」)  また、2日間のストで失った勤務時間を会社側は取り戻そうと、社員に土曜と日曜にそれぞれ9時間の出勤を強いたという。もちろん、これには組合側も強く不満を表明し、「ストを実行できる権利を無視する行為だ」として反発している。(参照:「El Confidencial」)  会社側は出来るだけ組合側との接触を避けるようにして、社員を30名から40名単位で個別に会合をもって会社が計画している新しい労働条件などを提示して出来るだけ組合側を無視しようとしているという。(参照:「El Confidencial」)

さらなるストの計画も

 この様な会社側の姿勢に対し、組合側ではこれまで要求している労働条件の改善などが実施されていないとして、アマゾンのバーゲンセールスのPrime Dayを標的に次のストを敢行することをプラニングしているという。  労働独立同盟(CSIT)は「違法労働に検査が必要」、労働者委員会(CCOO)は「労働紛争は活発に継続している」、労働総同盟(UGT)は「会社側とのコミュニケーションは存在しない」、組合同盟(CGT)は「ストの権利が侵害されている」といったように、4つの労働組合はそれぞれ柱になるテーマを挙げて会社側との交渉を行いたいとしている。  今回のストの実施で、ドイツのアマゾンの組合員も駆けつけて双方が抱えている問題に類似点を多くあることが確認されたという。その中でも契約社員の入れ替わりの頻繁さ、会社側が要求している労働生産性を計る物差しになるもの、そして勤務時間の柔軟性といった面において組合側では双方が会社側に対し共通の問題として抱えているという。  オンラインによる販売はこれから更に伸展するのは約束されているが、それを支えているオンライン企業の社員は過酷な労働を強いられている。しかし、将来的には社員に代わってロボットが「雇用」される時代が到来する可能性もあり、組合側にとっても今後はさらなる悩みのタネが増えていきそうだ。 <文/白石和幸 photo by Álvaro Ibáñez via flickr(CC BY 2.0) > しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
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