”トランプのプロパガンダ”を地方TV局が一斉放送!? 背後に地方局を牛耳る企業「シンクレア」の存在
メディアに政治的公平を求める「放送法4条」が撤廃されるのではないかと、今後の報道のありかたについて議論が起きている日本の放送制度改革。
しかし、海の向こうのアメリカでは、’87年に「公平原則」が廃止されて以降、各局の政治的な立ち位置はハッキリしている。そんな背景もあってか、「複数のテレビ局でトランプ大統領のプロパガンダが流されている!」と騒動が巻き起こっている。
アメリカのニュースサイト、『デッドスピン』が3月31日に報じたのは、全米の地方テレビ局のキャスターが、トランプ大統領のメディア攻撃に似た内容のメッセージを番組で読み上げたという話題。「デッドスピン」は、すべての局のメッセージひとまとめにして動画を公開した。(参照:THE CONCOURSE ― DEADSPIN https://theconcourse.deadspin.com/how-americas-largest-local-tv-owner-turned-its-news-anc-1824233490)
サイトの動画を観てもらえばわかるが、異なる局でまったく同じメッセージが流されている。下記はシアトルのテレビ局、KOMOで読み上げられた内容を訳したものだ。
キャスターAとB:どうも。(キャスターA)、そして(キャスターB)です。
キャスターB:我々の最大の義務は、北西部コミュニティへの奉仕です。我々はKOMOニュースが提供するバランスの取れた報道姿勢とその質に誇りを持っています。
キャスターA:しかし、我々は無責任で偏ったニュースが我が国に蔓延している悪しき現状を憂慮しています。偏って間違ったニュースが拡散されることは、ソーシャルメディアにおいて当たり前になってしまいました。
キャスターB:さらに警戒するべきは、こういった嘘の……真実に反した記事を、事実確認をせずに発信するメディアもあることです。
キャスターA:残念ながら、世論を操作するため、自分たちのプラットフォームを使って、個人的な偏見や議題を押しつけるメディアもあります。これは民主主義にとって大変危険です。
キャスターB:真実を追い、それを報道することがKOMOの責任です。我々は真実とは政治的に「右か左か」というものではないと理解しています。事実を報道することは、今まで以上に我々の信頼性の礎となっています。
キャスターA:しかし、我々も人間なので、報道が及ばないこともあります。もし我々の報道が不公平だと感じたら、是非サイトにアクセスして番組へのご意見をクリックしてください。我々は皆様の評価を尊重しており、それらにご返信いたします。
キャスターB:我々は真実を追究するよう奮闘し、公平でバランスを取り、事実に基づくよう努めております。これは毎日ニュースを届けることに対しての我々の誇りであり、名誉です。
キャスターA:ご視聴ありがとうございました。皆様のご意見を頂戴いただけましたら幸いです。
異なる局がまったく同じ声明を放送
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