相次ぐ凍結&ロック! Twitter「凍結問題」と表現の自由【「やや日刊カルト新聞」藤倉善郎氏緊急寄稿】

 本誌にて「草の根保守の蠢動」を連載し、それをまとめた著書『日本会議の研究』を上梓した菅野完氏のTwitterアカウントが永久凍結されてからはや1か月超。  10月に入り、またしてもTwitter社による「アカウントロック」に遭ったという人が現れた。それは、宗教団体やスピリチュアル団体をめぐる社会的問題について、独自取材に基づく報道を行っていることで定評がある「やや日刊カルト新聞」総裁、藤倉善郎氏のアカウントであった。  自身もTwitter社による、不明確な根拠による一方的なアカウント凍結にあった藤倉氏に、Twitter“凍結問題”と表現の自由について緊急寄稿してもらった。

ツイッター社によって通告なしに削除された藤倉氏のツイートのキャプチャ画像(提供/藤倉氏 ※モザイクは編集部による)

理由の通知も一切ない突然の「ロック」通告

 10月12日、突然、筆者のTwitterアカウントを「ロック」したとTwitter社からメールで通告された。Twitterにログインしても、「ロックされています」と表示されるばかりで、投稿も閲覧もダイレクトメッセージ(DM)もできない。誰かが筆者に送ってくれているであろうDMを読むことすらできない。Twitter社からは、なぜこのような措置をとるのかという具体的な理由を示す通知は一切なかった。  Twitterでは今年8月、ネット上で「絵師」と呼ばれるマンガ家やイラスト作家たちのアカウントの大量凍結騒ぎがあった。9月には『日本会議の研究』(扶桑社新書)で知られる著述家・菅野完氏の永久凍結。  個別の原因はさまざまあるだろうが、共通している点がある。凍結やロックという措置を受けたユーザー自身も、措置の理由や具体的根拠が「わからない」という点だ。理由は簡単。Twitter社が、そうした説明を一切しないからだ。形式上は異議申し立てが可能だが、申し立ててもTwitter社は無視する。処分の根拠が不明だと回答を求めても、回答は来ない。  さらに問題なのは、Twitterが一律の判断基準に基づいて平等にユーザーを処分した結果ではなく、第三者からの通報(クレーム)を受けて処分を実行していると思われる点だ。  通報があれば、根拠も示さず異議も受け付けずアカウントを使用不能にする。ルールの内容に問題があるのではなく、運用プロセスの致命的な欠陥であることは明らかだ。  Twitterがこのような一方的な「通報至上主義」をとるなら、企業や団体、公権力が言論封殺目的で特定の発言者をTwitterから抹殺することも可能だ。個人が嫌がらせや逆恨み、場合によっては面白半分で同じことをすることもできてしまう。  事実上の「情報インフラ」としてネット上に君臨するTwitterが、果たしてここまで極端に、そして一方的にユーザーの表現の自由をないがしろにする存在であっていいのだろうか。  こうした問題は、何も目新しいものではない。Twitterの登場以前にも、ネットサービスと表現の自由や知る権利との兼ね合いについての教訓を残した問題や事件がある。それらと比較しながら、Twitter問題を考えていきたい。
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何ら違法性のない手段で得たにも関わらず……
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