九州プロレスもローカルプロレス団体の例に漏れず、地域にちなんだキャラクターが豊富だ。
過去の記事でも紹介した、佐賀の「
がばいじいちゃん」は明治生まれの超高齢者レスラー。耳が遠くレフェリーの言葉が聞こえなかったり、杖をつきながらの入場がのんびり過ぎてテーマ曲が2周目に入ったりすることがある。
ちなみにこの歩行杖は「体の一部」として使用が認められており、足を払って転ばせる、ゲートボールのように頭を叩くなどの攻撃に用いられる。普通なら反則負けだが、体の一部なので合法だ。
当然、対戦相手は杖を奪いにかかるが、すぐに後悔するハメになる。がばいじいちゃんは杖を手放すと本来の力を解放。超高速で駆け回り、さらにはリング外へ命知らずのダイビング攻撃まで繰り出す。
一時期「キレる高齢者」が話題になったが、がばいじいちゃんは(動きが)キレる高齢者なのだ。
徘徊老人ならぬ飛翔老人
日本有数の活火山の名前を冠した「阿蘇山」。屋外の大会では噴煙をあげながら入場することもある。名が示す通り重厚な闘いを見せるが、昨年4月の熊本地震発生直後、リング上から「負くんな(負けるな)熊本!」とエールをおくり、率先して募金など支援活動に取り組む、義に厚い選手でもある。
素顔の選手もユニークだ。幕末の長崎で活躍した商人をモチーフにした「ザ・グラバー」は、仮想通貨ならぬ独自通貨・グラバードルをバラまいて入場する。試合ではこの紙幣を握ってパンチを放ったり、はたまた
相手の口にネジ込んだりと、文字通りカネの力に頼ったファイトを見せる金権レスラーだ。
金持ち喧嘩せず、とはいかない