米国、大陸間弾道ミサイルの迎撃試験に初めて成功。米国本土を守る迎撃ミサイルの実力

初のICBM迎撃試験の成功の意義

⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=141890

標的となったICBMに、GBIの弾頭EKVが命中した瞬間 Image Credit: MDA

 今回の迎撃試験は、太平洋に浮かぶマーシャル諸島にある米軍施設からICBMを発射し、それを太平洋上に配備している強力なレーダーで探知、追跡。そしてカリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地からGBIを発射し、レーダーからのデータを頼りに飛行してICBMを迎撃する、というシナリオで行われた。

 前回の迎撃試験からは約3年ぶりで、新たに開発された弾頭を装備した、そしてICBMの迎撃を想定した試験としては、これが初めてだった。

 GMDの開発は当初の予定から大きく遅れており、さらに過去の迎撃試験でも、ICBMより簡単なはずの中距離弾道ミサイルなどを想定したものだったにもかかわらず、失敗が相次いでいた。当然、開発コストも当初の見積もりを超過している。

 その中において、今回の新開発の弾頭によるICBMの迎撃を想定した試験の成功は、関係者らにとって福音となったのは間違いない。

 GMDの計画は2010年代に入ってから始まったが、そもそもICBMを迎撃するという構想は、それこそICBMというものが誕生したころからあり、1980年代にレーガン政権下で立ち上げられた戦略防衛構想、通称「スター・ウォーズ」では、ソ連から飛んでくるICBMを、宇宙空間からレーザーで破壊するという構想まであったほどである。

 その後、ソ連が崩壊して冷戦が終わると、今度はイランやイラク、リビアなどがもつ、ICBMよりは短距離の、戦術弾道ミサイルへの対処に主軸が移った。とはいえ、ロシアがもつICBMは依然として脅威であり、さらにイランや北朝鮮といった国も、将来的にICBMを保有するかもしれないという懸念から、計画や組織はいろいろ変わりつつも、ICBMを迎撃するミサイルの検討や開発は続けられていた。

 そうした経緯、歴史がある中で、今回のGMDによるICBMの迎撃試験の成功は、米国にとって、また技術的にも、大きな成果をあげたといえよう。

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