スペースX、2018年に2人の民間人を月へ打ち上げへ。その狙いとは?

まだ未飛行の新型ロケットと新型宇宙船

スペースXが開発中の「ファルコン・ヘヴィ」ロケット。旅行者はこのロケットに乗って月へ行く Image Credit: SpaceX

 もっとも、本当に2018年に実現するのか、安全性は大丈夫なのかなど、疑問は多い。  今回の月世界旅行で使われるドラゴン2とファルコン・ヘヴィは、どちらもまだ開発中で、一度も実際に飛行したことがない。  現時点でスペースXは、ファルコン・ヘヴィは今年夏ごろに試験打ち上げを行い、ドラゴン2も今年中に無人での初飛行を行い、来年の春ごろに初めて人を乗せた飛行を行うことを計画している。  つまり予定どおり2018年に月へ向けて飛ばすためには、今後の開発や試験が順調に進み、無事に完成することが必要不可欠となる。しかし、すでに当初の予定から開発はずるずると遅れており、2018年までに月への飛行はおろか、今年中に試験飛行できるかどうかもまだわからない。  また、予定どおり完成しても、安全性の問題がある。国際宇宙ステーションへの飛行とは異なり、月へ向かうとなると、行って帰ってくるのに1週間はかかり、途中下車もできない。アポロ計画が死者を出すことなく成功したのは、搭乗している人間がすべて厳しい訓練を受けた宇宙飛行士だったからであり、だからこそ「アポロ13」のような事故が起きても、無事に帰還することができた。  しかし、今回搭乗するのは、訓練を受けているとはいえ、民間人である。もちろん宇宙船は自動操縦で飛ぶので、彼らが直接宇宙船を操縦する必要はないし、電子機器の性能や信頼性は、アポロのころと比べ飛躍的に向上しているため、総合的に見ればアポロよりも安全ではあるだろう。  それでも、不測の事態が起こるのが宇宙飛行である。イーロン・マスク氏も、「危険を最小限にするためにできることのすべてをやります。しかし、危険はゼロにはなりません」と語り、リスクがあることを認めている。
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確実に近付く宇宙旅行時代
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イーロン・マスク

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