10月31日には、ドイツから帰国した崔順実(チェ・スンシル)が、11月2日には前・青瓦台政策調整主席秘書官であった安鐘範氏が、3日には青瓦台の「門番三人衆」の一人であるチョン・ホソン氏が検察当局に逮捕されている。
朴槿恵包囲網が徐々に狭まっていくなか、怒る国民の鎮静化、国政の正常化をはかるため、朴槿恵大統領は4日、無数のフラッシュの前に立たざるを得なくなり、自身への捜査も容認せざる得なくなった。
しかし肝心の疑惑に対しては、遠巻きに否定した。以下は大統領の談話より抜粋。
「国家経済と国民の生活の助けになるだろと推し進めた事でありましたが、その過程で特定の個人が利権を掠め取り、少なくない違法行為を犯したことは、あまりにも苦しく惨憺たる心情であります。このすべての事は、すべて私自身の不察の至りであります。私自身の大きな責任を痛感しております」
大統領自身の罪は「不察」であって、取沙汰されている疑惑に関しては「特定の個人」が勝手にやったことであると言っている。
本サイトでも紹介した、今回の朴大統領のスキャンダルを最初に報じた、韓国のケーブルテレビJTBCの孫石熙(ソン・ソッキ)は、大統領談話発表の前日、一連の関係者の相次ぐ逮捕、大統領の捜査受け入れのスピードが余りに早く、検察側が十分な証拠を揃えきれないなか、仮に大統領が「すべては国益のためと思ってやったこと」という主張をすれば、大統領自身の罪を問えないのではないかと危惧している。