大統領談話を聞いた国民はどうか。怒りは収まらない。本日の会見で「下野(=大統領の辞任)」すらあるのではないかと思う人も少なくはなかった。そんな中での「責任回避」は火に油を注ぐ結果となっている。今週末には最大規模のデモが行われる。大統領支持率急落のなか、それでも防波堤となってきた与党からも「下野」の声が聞こえてくるようになれば、大統領の辞職は現実味を増すだろう。
大統領談話の後半。今は検察の捜査に支障をきたす恐れがあるので、個別の事案に対し、私(大統領)自身の口から詳細な話をするのは控えさせて戴きたく思うと言いながら、朴槿恵大統領は、次のような言葉を語った。
「誰であろうと、今回の捜査を通じて過ちが露見するのであれば、それ相応の責任を取らなくてはいけません。私自身も、すべての責任を取る覚悟が出来ています」
崔順実の手繰る糸で大統領を演じてきたと言われている彼女が、自身を手繰る糸のない状況で発した言葉から、国民はどれほどの真実性を見出すことが出来るだろうか。
<文/安達 夕>