『Making Humans a Multiplanetary Species(人類を多惑星へ播種する)』と題した講演を行うイーロン・マスク氏 Image Credit: SpaceX
「40~100年をかけて、火星に100万人を送り込み、自立した文明を築く」――。そう語る彼の顔は、それが決して夢物語ではなく、実現可能な目標であるという自信に満ちていた。
米国の宇宙企業スペースXのイーロン・マスクCEOは9月28日(日本時間)、メキシコで開催中の国際宇宙会議(IAC)の壇上で、『Making Humans a Multiplanetary Species(人類を多惑星へ播種する)』と題した講演を行い、人類を火星に移住させ、さらに他のさまざまな惑星へも赴くことを目指した壮大な構想を語った。
これまで本誌で何度も取り上げてきたように、スペースXは再使用可能なロケットや宇宙船を開発し、ときおりつまづきながらも果敢に挑戦を続け、数多くの人工衛星を打ち上げ、今や世界を代表する宇宙企業になった。しかし、マスク氏と彼が率いるスペースXにとって、これまでの活動はあくまで通過点に過ぎなかった。彼らの視線は常に、火星とその先を向いていたのである。