構想も壮大なら、それを実現するためのロケットと宇宙船もまた巨大である。Interplanetary Transport System(惑星間輸送システム)と名付けられたそれは、最大直径は17m、全長は122m。アポロ計画で使われた人類史上最大のロケット「サターンV」よりもさらに大きい。宇宙船には100人もの人間、それも長期間にわたって厳しい訓練を受けた宇宙飛行士ではなく、簡単な訓練を受けただけの一般人が乗る。宇宙船は地球と火星を往復して人や物資をピストン輸送する。
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打ち上げを待つ惑星間輸送システム Image Credit: SpaceX
さらに、マスク氏の構想は火星に文明を築くということだけに留まらなかった。講演の最後には、この宇宙船が木星やその衛星のエウロパ、土星やその衛星のエンケラドゥスへ飛行する想像図を示し、太陽系のさまざまな天体へ行けることをアピールした。この巨大ロケット・宇宙船に「惑星間輸送システム」という名前が付けられた理由がそこにあった。
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木星の衛星エウロパに着陸した惑星間輸送システム Image Credit: SpaceX
その一方で、実現に向けた新技術の開発を続けていることや、コスト計算、開発資金の調達方法なども明らかにし、スペースXにとっては決して夢物語ではなく、あくまで現実的な検討に基づく計画であることを強調した。