拍子抜けするほどシンプルなことだが、グローバルエリートの仕事能力を決定づける、“基礎的能力”である「体幹」は、こうしたことで鍛えられるのだ。
「しばしば仕事術の本というと、
何か特別な勉強法や思考法などがあって、それさえすればすべてうまく行くといったような、迷える子羊をさらに迷わせる、“目新しいけど的外れ”な、イカサマ本が少なくありません。
個人の特殊な能力や業態に根ざした方法で、読者は誰も参考にできない、といったことが少なくありません。しかし、私が実際に世界の様々な国の、様々なオフィスでグローバル・リーダーといえる凄腕の上司と仕事をしてきて、彼らの姿から学んだのは、こうしたベーシックなことでした」
こうした経験を踏まえて、キム氏は特殊な能力や学歴がなくても誰でも実践できることを厳選して77のトピックにまとめて本にしたという。
「いわゆるグローバルエリートたちが働く職場では、IQや学歴などは『高くて当然』な世界で、そこでは学歴が立派でも何も成し遂げてない二流のエリートがたくさんいました。逆に、世の中には有名な大学を出ているわけでもない、いやむしろ大学すらも出ていないのにビジネスで成功し、周囲からも最高水準の仕事をしているとされる一流のビジネスリーダーがいます。
学歴が低いという点だけで、自分を低く見積もっていた人や、逆に学歴が高いのにいまいちパッとしなかった人は、今一度
“仕事のIQ”を伸ばすことを考えるといいと思います。もちろん、学歴が高いだけで、そこに逃げてしまって、仕事ができない自分に気づきたくない人には、耳と目が痛い話かも知れませんが」